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[Training] トレーニングを研究する

計画的に追い込むことで闇雲にもがくよりも、質の高いトレーニングが出来ます。

 

(1)トレーニング内容

下記の画像はクライアントさんのトレーニングデータです。
赤: 心拍
紫: パワー
グレーバックはプランです。

MS1: FTPを 1 x 10分
MS2: マイクロバースト(15秒 120% / 15秒 80%) 1 x 10分
MS3: マイクロバースト(15秒 150% / 15秒 50%) 1 x 10分

1本目はある程度安定した集団内での走り、2本目はアタックの掛け合いや激しいペースの変化をシミュレーションするものです。

Feb27th

Mar6th

 

(2)トレーニング比較
2/27はMS2の前半で頑張りすぎて後半崩れて行っています。

またMS3は途中で限界を迎え一旦ペースを落とさざるを得なくなり心拍が一度落ちています。

 

3/6は、同じトレーニングに再挑戦!
今度はMS2の設定を少し下げて最後までOFFの強度(80% of FTP)を維持する計画に変えました。
これにより負荷がかかっている時間を長くしようとする作戦です。

 

結果は10分間最後まで負荷を維持でき尚且つ限界まで(心拍MAX179bpm)まで追い込め、さらにMS3も前回よりも高いパワーを維持できています。

またラストは179bpmと前回よりも高い心拍を記録し、10分間キッチリ追い込めています。

 

これにより3本トータルの仕事量は、3/6の方が高くなっています。

 

(3)トレーニングを研究する
このようにトレーニングの結果を見直し、計画をたてることで闇雲にモガくよりも、質の高いトレーニングが出来ます。

 

 

Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志

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100分の1秒を削るために

トラック競技の強化は自転車競技の究極の形です。

改善を図りタイムが短縮できれば正解。
タイムが縮まらなければまた別の方策を練ります。

トラック競技は、ほぼ一定条件下でトライアル&エラーを行えるのでスピードの追求が行いやすいのです。

 

22才にして7度の世界チャンピオンに輝き、個人追い抜きの世界記録保持者でもあるクロエ・ダイガード(Chloé Dygert)

左は初めて団体追い抜きでワールドカップに出た時のもの。

右は団抜きで世界チャンピオンになったときのもの。

違いは頭の位置です。
右の方がほんの少し頭を下げているのが分かると思います。

 

団体追い抜きは平均時速55.5kmの高速で争われる競技です。
この速さでは空気抵抗が走行抵抗の90%を占めると言われています。
さらに空気抵抗の70%は人の体が受けていると言われています。

ですから、ほんの少し頭のポジションを変えるだけでタイムに違いが出てくるのです。

選手・コーチたちは少しでもパワーを上げること、そしてホンの少しでも抵抗を減らすことを日々研究してタイムを削っていきます。

 

Peaks Coaching Group-Japan
中田尚志

 

 

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[トラック] トラック界の風雲児 HUUB WATTBIKE

HUUB WATTBIKE(フーブ・ワットバイク)は、トラックには珍しいトレードチームです。

 

チームの創設者であるDan Bigham(ダン・ビグハム)は、元GBチームのメンバーで、自身の可能性を追求する為にチームを作りました。

まだ現役でイギリス国内選手権を制したこともあります。

彼はエンジニアとしてのキャリアも持ち、空力の専門家としてF1やCanyon SRAMのTTT世界選手権制覇にも貢献してきました。

ワットバイクチームは団体追い抜きを最も得意としていて、世界で史上5番目の記録である3分53秒をマークしています。

12月に行われたロンドン・ワールドカップでは宿敵イギリスを抑えて優勝!

 

その戦法も斬新でスタート後、1走の選手が先頭を走った後に2走は1km先頭を引いてから交代。その後は3番手に入ります。(1走は4番手で待機)。

 

こうすることでスタンディング(スタートの加速)で消耗した1走を後半に向けて1.5km程度温存しラストのペースアップに使います。

徹底した空力の追求と頭脳的戦術で巨額の資金を有するイギリスチームに勝利したことは、まだまだ自転車競技は創意工夫で勝てる余地があることを示しています。

 

Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志