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[トレーニング] ポジションを見直そう! part2

サドルのポジションは水平を基準に角度と高さ、セットバックを調整していくことを先日書きましたが、今日は角度について少し詳しく。

 

(1) サドルの違い
サドルはメーカーやモデルによって千差万別です。
形状はもちろん、長さ・幅・パッドの厚みも違いますし、前後の硬さも違います。また同じサドルでも製造年やロットによって微妙にパッドの厚みが違ったりもします。

最近試したフィジークのアリアンテは比較的アールが強く、レール近くの前後が固く中央部は柔らかい為にハンモックのようにしなるような作りになっています。

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(2)水平が正しいのか?
サドルはまずは水平を基準にと書きましたが、アリアンテのようにあえてしならせることを前提に作ってあるサドルでは水平にセッティングしても座る位置によって角度は変わります。

 

中央部が凹むようにしなるので、後方に座ると少し前下がり、前方に座ると少し前上がりに感じます。

その為、サドル前後の上端を結ぶ線ではなく、自身が一番座る位置で水平を出してから角度を調節したほうがうまくいきます。

アリアンテの場合は、一番良く座るサドル中央を水平になるようにセッティングしています。

 

またセッティングを開始するスタートポジションは水平ですが、しなり具合や座る位置、骨盤の角度、体の柔軟性などによって最適なサドル角度は変わります。

必ずしも水平でないといけないというルールはありません。

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(3)ポジションを合わせるパワーゾーン

ポジションを合わせるのにちょうど良いパワーゾーンはテンポ(76-90% of FTP)です。

ここでしっくりくるようにポジションを合わせましょう。

 

テンポを使う理由はこの領域が一番レースやロングライドで使われるポジションであること。またエンデュランスよりも少しパワーを必要としつつリラックスしていないと長時間維持できないため汎用性が高いポジションであるからです。

Powerzoneschart

(4)サドルによる違い

私の場合、アリアンテは中央部で測って水平、サンマルコのSLRだと1.2°前下がりになります。

このように使用するサドルによってもポジションを決める場所は変わって行きます。

 

身長・体重・体格・骨盤の大きさ・・・人によってベストなサドルは異なります。

ご自身に合うサドルに出会い、尚且バッチリとポジションを出すためにご参考頂けると幸いです。

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Peaks Coaching Group – Japan

中田尚志

 

セミナーのお知らせ

アベノバ presents 市川雅敏 x Peaks Coaching Group Japan セミナー

いかにして日本初のプロロードマンは誕生したのか?

 

日時: 2018. 11. 17 15:00~

場所: スポーツサイクル プロショップ アベノバ

料金: 7,000円

お申込み: 

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01nb29zvhegp.html

 

 

皆様のご参加をお待ちしております。

 

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01nb29zvhegp.html

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[トレーニング] ポジションを見直そう! part1

[トレーニング] ポジションを見直そう!

バイクのポジション出しはフレームサイズの選択から始まり多くの調整を経てセッティングが決まります。

少しずつポジションを変えていくことで、最もパワーが出て、尚且リラックス出来るポジションが出来上がります。

実際ポジションが出るとパワーは上がります。

—-

(1)ポジション調整箇所
・クリート位置
・サドル高
・サドルのセットバック
・サドルの角度
・ブレーキレバーの高さ

・ステム長
・ハンドル幅
・ハンドルのドロップ・リーチ・曲がり
・ハンドルの送り具合(下ハンドルが水平か少し傾いているか?)

 

 

(2)アーレンキーで調整
上記の4つ、クリート位置からブレーキレバーの高さまでは、多くの場合4,5mmのアーレンキー2本で調整が可能です。

サドルは出力に大きく影響しますから、しっくりくるまで徹底的に調整することが必要です。

まずは高さを合わせてからは、セットバックと角度を調整します。

セットバックを大きくすれば(サドルを後ろにすれば)、相対的にBBからの距離は延び、サドルは高くなります。

また角度を変えると骨盤が載る位置と角度が変わるのでこちらも相対的にサドル高さは変わります。

その為、サドル高を出す時は、まずは水平を基準にして高さを出し、その後角度やセットバックを調整するのがおすすめです。

私は水平器を使うのをお勧めします。
ホームセンターで500円〜1万円ぐらいまでで売っていますし、スマートフォンのアプリで測ることも出来ます。

 

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(3)ポジションの出し方
・サドル角度を水平器で0°に調整
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1.サドル高を調整
2.セットバックを調整
3.サドル角度を自身が一番しっくりくる角度に調整
上記1.-3.を繰り返す。

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—-

(4)ポイント
ポジション出しを進めるポイントは少しずつ動かして上手く行かなかった時の為に戻せるようにしておくことです。

・高さとセットバックはシートポストやサドルレールにマジックで印をしておくと、いつでも元のポジションに戻せます。

・サドル角度は印をつけるのが難しいですが、水平器で測ると簡単に角度が分かります。

ポジションでお悩みの方は試してみてくださいね。
——
10/13(土)京都府木津川市のサイクルライフショップ白星(ハクセイ)で様でパワーセミナーを行います。

ポジションとパワーの関係についてもお話させて頂きますので、是非ご参加下さい。

 

詳細はコチラ

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/012r40zv8gtu.html

 

 

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54才の自転車部員 菊池さんの挑戦

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 昨年53才にして国体初出場を成し遂げた菊池さんが今年も国体に選出されました!
 
(1)ゴールを決めてトライ&エラーを繰り返す
菊池さんは、英語で言うところの ” Goal – oriented “な方です。
※Goal – oriented person 明確な目標(ゴール)を掲げそこに向けて努力できる人のこと
 
一旦ゴールが決まればそこに向けて戦術を練りトライ&エラーを繰り返します。
 

(2)ゴールを達成するためのトライ&エラー

菊池さんはテクノロジーを駆使し進歩を測る能力に長けています。

パワーメーターはもちろん、ビデオ、活動量計に至るまで情報を収集し、パフォーマンス改善につなげていきます。

 

菊池さんの手法
・トレーニング日誌には調子・気分・普段の出来事などを記録
・ビデオで走りを振り返る。
・トラック練習ではギアレシオ・最大パワー・スピード・バンクのクセやライン取りなども記録。

 

 
 
 
 
(3)情報の活用 
菊池さんのトラック競技への挑戦はコーチングを始めてからスプリント/AC領域の伸びの早さに気づいたことから始まりました。
ロード練習で磨いたスピードを更に伸ばすためにトラック・レースを始めることをお勧めしました。
彼にバイクレースのバックグラウンドがあったことも、お勧めした理由のひとつです。 
 
菊池さんは50歳を過ぎてから、地元長崎県の高校自転車部に”入部”を志願。
五輪出場経験もある顧問の先生は快く彼の挑戦を受け入れてくれました。
 
そして日々研鑽を積み昨年は53歳にして国体に初出場。
今年は春先選考基準が改定され出場がより難しくなった中、果敢に挑戦し再度代表に選ばれました。
 
国体出場という目標の元に平日はロードワーク、休日はバンク練習に励み、レースでは展開・気分・相手・機材など全てを練習日記に書き込みます。
トラックトレーニングやレースではビデオを撮影し走りや展開を記録。バンクのクセやライン取りも記録し次に活かします。
 
更にビデオをインターネットにアップして下さいますので、私もビデオを見てアドバイスを書き込みます(菊池さんいつも遅くてすみません!!)。
 
これらの情報を随時振り返り改善点を洗い出し、次の走りに活かします。
いわゆるPDCAサイクルを回していくわけです。
Plan: 具体的なプランを決める。
Do: トレーニング/レースで実行
Check: ビデオ・パワー・練習日誌などでチェック新たな課題の洗い出し
Action: チェックで洗い出した課題を踏まえてアクション

 

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(4)今年の国体での目標は1回戦突破
 
ゴールを設定した菊池さんは、8ー9月に地元で行われるトラックレースに積極的に出場し、メキメキと戦術を磨いて行きます。
最初の頃は、どこか遠慮がちで着順をまとめるレースだったのが、最近では勝ちを狙う走りに変わり、決勝に上がれるように。
スプリントではハロンで11秒67。どのバンクで走ってもタイムは安定して来ています。
これはビデオによる改善やバンクの特徴を詳細に記録し走る度に改善していった賜物です。
 
直近のレースでは地元の高校生に混じり唯一の社会人レーサーとして決勝にコマを進めるまでになりました。
 
つぎはいよいよ国体本番。
 
9/25日から始まる福井国体に向けて菊池さんの挑戦は続きます。