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シクロクロスに要求されるパワーについて Part1

パワーメーターの紹介は一旦お休みして、今日はInterbikeの期間中に開催されたクロス・ベガスの写真と共にシクロクロスに要求されるパワーについてご紹介しましょう。

シクロクロスは、急速に人気を上げている冬に行われる自転車競技です。

以前はロード/MTB選手のオフトレという位置付だったシクロクロスですが、シクロクロスを専門にする選手も世界的に増えてきています。

それに伴い近年は、シクロクロス向けのパワートレーニングの研究も盛んに行われるようになってきました。

他の自転車競技とシクロクロスを比較した時、大きな特徴して挙げられるのは「レースの間、常に繰り返されるインターバル」「不安定な路面による負荷の変化」そして「担ぎ・階段などがある特殊性」です。それらをパワーデータで説明していきましょう。

(1)シクロクロスのパワーデータ

CX Cat Pro/1/2 FTP340w

左のグラフは、カテゴリー1の選手のシクロクロスレースのデータです。

ご覧のように1時間のレース中めまぐるしくパワーは変化しています。この変化は激しい順位争い、連続するコーナー、路面の変化(舗装路から芝生、泥、細かなギャップなど)から起こっています。

こういった要因から、レース中パワーが30秒以上安定して発揮されることは無く、ON/OFFが両極端なパワー変動を繰り返しています。

スタート直後の位置取り争いによって900wを超えるスプリント、FTPの120%を超える30秒以内のON、その直後には0wattまで下がるOFFがゴールまで延々と繰り返されるデータは、まさにシクロクロスレースを表しています!

(2)パワー分布

上記のレースデータをパワーゾーンに分けてみましょう。
最初に目を引くのは一番左の0-20wattsが15分(23.7%)ある事です。この時間はシケイン・階段・下り、そしてコーナーで一瞬足を止めている時間などの合計です。
シクロクロスの場合、ペダリングしていないと言っても、決して楽に休んでいるわけではありません。

上のデータをパワーゾーンごとに分けたのがこちらです。
右から
・AC(>120%FTP)  17.4分(27.6%)
・VO2Max(106-120%FTP) 6.8分(10.9%)
・FTP(91-105%FTP) 5.3分(8.4%)
・テンポ(76-90%FTP) 5.2.分(8.2%) 
・エンデュランス(56-75%FTP) 4.1分(6.6%)
・リカバリー(<55%FTP) 24.2分(38.4%)です。

この図からシクロクロスがいかにON/OFFの差が激しい両極端のパワーゾーンで行われているか分かります。

(3)シクロクロスのケイデンス

左の図はケイデンスの分布です。

ここでも最初に目につくのは一番左のバー(0-5rpm)です。
時間にして15分(23.7%)、図1.のパワーデータと同じく、ここでもレース中15分間ペダリングしていない(シケイン・階段・下りなど)事が見て取れます。

またレース中のケイデンスで一番多い領域は80-90rpmで10.4分(16.6%)に上っています。この回転数は同じ時間で行われるクリテの平均ケイデンス90-100rpmに対して10rpmほど低い=トルク重視であることを示しています。

(4)シクロクロスのペダリングトルク

4分割分析

こちらはレース中のペダリングトルクを分析したグラフです。このグラフはパワーの成り立ちを表します。
例えば400wのパワーが発揮された場合、ケイデンスが早い状態で400wが発揮されたのか?ケイデンスは遅いけれどもトルクが高い状態で400wが発揮されたのか?を知ることが出来ます。

左の図ではレース全体を黄色と赤のドットで表してあります。赤色はレース全体の中でFTPを超えた時のデータです。4分割されたグラフの中で赤色のドットは左上の部分に集中しているのが分かります。これはシクロクロスのレースで高いパワーを発揮するとき、トルクが高く、ケイデンスが遅い状態が多いことを示しています。

(5)データからわかるシクロクロスのパワー特性
・レースの間中、激しいインターバルが続く→高いFTPとVO2Maxに支えられたアネロビック能力が必要。

・ON/OFFの差が激しい。→パワーの変化が大きい中でのリピータビリティ(反復能力)が要求される。

・ケイデンス特性→ロードよりもケイデンスが遅い為、トルクフルな走りが求められる。

・レースの1/4(15分)は、ペダリングしていない時間=シケイン・階段・下り、そしてコーナーで一瞬足を止めている時間などに費やされている為、それらをこなす高度なテクニックが必要。

これらを念頭に置いてトレーニングをすすめる事が必要になってきます。
次回は実際のトレーニングのメニューについてご紹介していきましょう。

[ウェビナー開催]

「さぁ、パワートレーニングを始めよう!」

Peaks Coaching Group Japanでは10/11(土)日本時間PM9:00からウェビナーを開催します。

第一回目は「さぁ、パワートレーニングを始めよう!」と題して、パワートレーニングの理論と実践方法についてのセミナーを行います。

2014シーズンも終了に近づき、「今年の冬はパワートレーニングを始めよう!」
「パワーメーターで行う強化について調べてみよう。」と考えておられる方も多いかと思います。

ご自宅でも出先でもインターネット環境があれば、どこでも受講可能ですので、是非ふるってご参加ください。

・日時  2014年10月11日 日本時間 PM9:00~10:00
・受講料 $16.46≒JPY1,800

Peaks Coaching Group
中田尚志

中田尚志…Peaks Coaching Group プラチナム認定コーチ。
パワー・トレーニング・バイブル(原書:Training and racing with Power Meter)の著者、ハンター・アレン(Hunter Allen)氏のもとでパワートレーニングを中心にコーチングを学ぶ。
25年に及ぶ日本・アメリカでのレース経験を持つ現役選手。バージニア州ベッドフォード在住。現在でも週末はPro/1/2レベルおよびマスターズでレースに参加している。2013 全米自転車競技連盟主催パワートレーニングセミナー修了


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Interbike 2014 パワーメーター情報② BRIM BROTHERS

② BRIM BROTHERS ZONE D・P・M・X

アイルランド・ダブリンに拠点を置く企業BRIM BROTHERS(ブリムブラザーズ)の製品ZONE D・P・M・Xです。

開発開始から5年、発表から4年を費やし、遂に今年プレオーダーを開始した新規参入メーカーです。
ある日のバイクライド中の会話をキッカケに「パワーメーターを作ろう!」と決心してから、自身の私財を投入し、開発に5年の歳月を費やし、「遂にココまで来た。」としみじみ語る創業者のバリー・レッドモンド氏は感慨深げな表情を浮かべていました。

このメーター最大の特徴は「ウエラブル(身に着けれる)」ということ。シューズのクリートにパワーメーターを仕込んであります。

このシステムのメリットは、スピードプレーのペダルがついていれば、ロードバイク・ローラー用バイク・TTバイク…。バイクを何台持っていても1台のパワーメーターで対応できる事です。
また常に同じパワーメーターを使用することで、同じ精度でパワーを測定出来る点もメリットと言えます。

加えてクランクを介さずパワーを測定しているお蔭で、左クランク・右クランクの硬さ=ひずみ量を考慮する必要がない為、より均等に左右のパワーを測れるのも長所と言えるでしょう。

現在プレオーダーを受け付けているとの事。
インターネットでのプレオーダーも出来るようなので、興味のある方は問い合わせてみられてはいかがでしょうか?

市場価格は$999≒JPY106,972の予定

メーカー公称スペック
・精度 ±2%
・動作温度 -9.4~60℃
・バッテリー寿命 15時間(充電式) 
・防水・防塵レベル IP67
・重量 片側35g
・通信 ANT+

BRIM BROTHERS
http://www.brimbrothers.com/

BRIM BROTHERS Pre order
http://www.brimbrothers.com/preorder/

※写真はクリックすると拡大します。

[ライダー募集]

Power Coaching for cyclists

PCG Japanでは、ご要望にお応えしてパワートレーニングによるコーチングを希望される方を募集開始致します!


・FTP・VO2maxを引き上げたい方
・パワートレーニングに興味のある方
・来年に向けてレベルアップを考えられている方
・アンチ・エージングにパワートレーニングを活用したい方
・パワートレーニングの進め方や現在行っているトレーニングの解析を希望される方
・レースに合わせたトレーニングプラン作成を希望される方。

を中心にライダーを募集しております。

コーチング内容により価格は$99/回~$329/月まで、各種ございますのでご要望に合わせてご検討いただけたらと思います。

尚、各サービス定員に達し次第、募集を締め切らせて頂きます。
悪しからずご了承ください。

お問い合わせは担当 中田まで
takashi@peakscoachinggroup.com

http://bit.ly/1vNg8U7

Peaks Coaching Group
中田尚志

中田尚志…Peaks Coaching Group プラチナム認定コーチ。
パワー・トレーニング・バイブル(原書:Training and racing with Power Meter)の著者、ハンター・アレン(Hunter Allen)氏のもとでパワートレーニングを中心にコーチングを学ぶ。
25年に及ぶ日本・アメリカでのレース経験を持つ現役選手。バージニア州ベッドフォード在住。現在でも週末はPro/1/2レベルおよびマスターズでレースに参加している。2013 全米自転車競技連盟主催パワートレーニングセミナー修了


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Interbike 2014 パワーメーター情報①watteam

 世界最大規模の自転車ショー、インターバイクがネバダ州・ラスベガスで開催されました。


現在もっとも熱いバイクパーツのひとつであるパワーメーターは、世界中のバイクメディアの注目の的です。
我々Peaks Coaching Groupも最先端のパワーメーターを視察して来ましたので、今日はその模様をお伝えしましょう。


私が感じた今年のパワーメーターのトレンドは1.低価格化 2.高精度化 3.新しいメトリックの3つです。









1.低価格化…
昨年ステージーズ(Stages Power)が起こした低価格化への動きは今回のショーで大きく加速していました。パワーメーターの普及を考えたとき、低価格化は大きな追い風になるといえるでしょう。


2.高精度化…
パワートレーニングを行うにあたり精度の高さは必要不可欠で、精度が低いパワーメーターほどコーチや選手を混乱させるものはありません(私は声を大にしてココを訴えたいです!)。
今回のショーでは第三者機関が出した精度の証明を掲げるメーカーもありました。また修理サービスの充実を前面に押し出しているメーカーが増えたことも寸断なく正確なパワーメーターを使いたいヘビーユーザーには嬉しいところです。


3.新しいメトリック…
日本のPioneerが打ち出したパワーのベクトルを測る機能はパワーメーターを単にワット数を測るデバイスからペダリングの解析装置へと進化させました。今回のショーでは更に新しいメトリック(計量手法)を打ち出しているメーカーが出てきていました。

それでは順番に各メーカーの新製品を見て行きましょう。


①ワッティーム(Watteam) パワービート(PowerBeat) 

このショーで本格的にデビューしたWatteam(ワッティーム)は、「サイクリストによるサイクリストの為のパワーメーター」をスローガンにイスラエル出身のCEOオフィール氏が中心となりカリフォルニア州で創設された企業です。


氏は2008-2010年にイスラエル・ナショナルチームのコーチの経験があり法令の学士号を持つインテリでもあります。


来年夏に発売を目指すこの新しい企業は$499(≒JPY53,562)という低価格ながら左右のパワー計測が可能というスペックで市場に攻勢をかけます。

このパワーメーターの最大の特徴は「カーボンを含むいかなるクランクにも装着可能なこと。」です。R&Dは科学技術の先進国イスラエルで行われており、独自のひずみゲージ・ジャイロ・加速度センサーはカーボンクランクへの取り付けを可能にしています。
これによりユーザーは現在所有しているバイクのクランクやハブといった部品を交換する必要がありません。
また今後センサー部のみの販売も予定しているとの事です。予め全ての手持ちのバイクにセンサーを取り付けておけば、本体ユニットを移設するだけでパワーメーターを共用にする事が可能になります。(例 ロードとTTバイクにセンサーを付けておいて使用するときに本体部を移設)



スペック(メーカー公称)
・精度 ±1.5%
・バッテリー寿命 360時間

・防水防塵レベル IP65
・重量 片側24g
・通信 ANT+ , BLE(Blue tooth low energy)

・バッテリー交換 ユーザーで可能
・温度補正機能 自動
・ヘッドユニット 他社製ANT+対応ヘッドユニット もしくはiphone(4s以上)、アンドロイド(ジェリービーン4.3以上)のスマートフォン
表示ソフトはApple App Store、Google playで入手可能。
・取付方法 ユーザーが付属の治具にて取り付け
・サンプリングレート 1,400回/秒


気になる日本への入荷予定は、「是非行いたい」とのことでした。楽しみですね!


WATTEAM POWERBEAT




HP

http://watteam.com/




クリックすると拡大します。

カリフォルニアをベースにしているだけにテストライダーには事欠きません。
Watteamのブースは凄い人だかり




[ライダー募集]

Power Coaching for cyclists

PCG Japanでは、ご要望にお応えしてパワートレーニングによるコーチングを希望される方を募集開始致します!


・FTP・VO2maxを引き上げたい方
・パワートレーニングに興味のある方
・来年に向けてレベルアップを考えられている方
・アンチ・エージングにパワートレーニングを活用したい方
・パワートレーニングの進め方や現在行っているトレーニングの解析を希望される方
・レースに合わせたトレーニングプラン作成を希望される方。

を中心にライダーを募集しております。

コーチング内容により価格は$99/回~$329/月まで、各種ございますのでご要望に合わせてご検討いただけたらと思います。

尚、各サービス定員に達し次第、募集を締め切らせて頂きます。
悪しからずご了承ください。

お問い合わせは担当 中田まで
takashi@peakscoachinggroup.com

http://bit.ly/1vNg8U7

Peaks Coaching Group
中田尚志

中田尚志…Peaks Coaching Group プラチナム認定コーチ。
パワー・トレーニング・バイブル(原書:Training and racing with Power Meter)の著者、ハンター・アレン(Hunter Allen)氏のもとでパワートレーニングを中心にコーチングを学ぶ。
25年に及ぶ日本・アメリカでのレース経験を持つ現役選手。バージニア州ベッドフォード在住。現在でも週末はPro/1/2レベルおよびマスターズでレースに参加している。2013 全米自転車競技連盟主催パワートレーニングセミナー修了