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FTPが高ければレースに勝てるのか?

 
写真は先日行われたツール・ド・おきなわ チャンピオン・ロード・レースのデータです。(先日の投稿とは別の選手です)
走行時間: 5:24:30
距離: 201km
TSS: 374tss
Work: 3326kJ
NP: 229W
 
おきなわで最も大きな登りといえば2度登る普久川ダム
 
普久川ダム1回目 18:38 257W
逃げている選手が居たため集団はある程度足を溜めつつ登った1回目はAVGでFTPの90%程度。おおむね有酸素領域で登ったことになります。
 
普久川ダム2回目 17:13 275W
勝負の始まる東海岸に向けてふるいにかけられていきます。
 
この選手は最後までチームの為に牽引する役目を担っていました。
2回目の普久川ダムはFTPの97%でこなし、東海岸に入ります。
 
もしここで彼のFTPが低ければ普久川ダムはFTP以上に達してしまい、東海岸まで足を残すのは難しくなります。
東海岸で勝負 or アシストをするには普久川ダムを集団で登る際にFTPを大幅に超えてしまわないのが条件になります。
 
ではFTPが高ければ後半も足が残り勝てるのか?というとそうでもありません。
 
写真の説明はありません。
 
疲労耐性(Fatigue resistance)
2回めの普久川ダムを超えた時点で既に産生したエネルギーは2127kJ。
普段参戦する120km前後のロードレースに近いエネルギー量です。
 
しかし、おきなわのレースは200km。ここからゴールまでは更に1時間40分, 1200 kJ 140TSSを生み出す必要があります。
東海岸はノコギリ状のアップダウンが続きます。時速20km程度の登り、時速76kmに達する下りが連続し足を削られます。
 
 
ここで勝負 / アシストをするには高い疲労耐性(Fatigue resistance)が必要になります。
 
疲労耐性はFTPとは別の能力で、大きな仕事量をこなした後でも高いパワーが出せる能力です。
この選手は2000kJをこなした後に-10-13%程度出せる疲労耐性はあるために海岸線で集団を牽引。エースの最終アタックに繋げる任務を遂行しました。
 
おきなわではFTPと共に疲労耐性が試されます。
 
[クライアント募集] 新保光起コーチ
 
 
 
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選手時代は愛三、ラバネロ、NIPPOなどのチームを渡り歩き、2002 ジャパンカップ7位、全日本実業団優勝、ツール・ド・北海道山岳賞などの好成績を収めました。
 
日本で初めてパワーメーターを使用した選手の一人でもあります(写真)
 
ロードはもちろんMTBなどオフロードにも詳しい新保さんのコーチングにご興味のある方は是非お問い合わせください。
 
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takashi■peakscoachinggroup.com
■を@に代えてお送りください。
 
 
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ツール・ド・おきなわ 210km

 
 
 
本日行われたチャンピオン・ロード・レースのデータです。
データは全てメータ読み
 
走行時間: 5:19:28
距離: 201km
TSS: 364tss
Work: 4123kJ
NP: 285W
El.Gain: 2596m
 
TSS:364 TSSはFTPで1時間走ると100になります。
この選手はFTPでの1時間走を3.6本行うのに等しいストレスを身体にかけたことになります。
 
Work:仕事量 1Wで1秒走ると1J(ジュール)です。
NP: ノーマライズド・パワー もし一定ペースで走ったら何ワットになっていたか?を表します。 
平均ワットは213Wですが、これには下りで足を止めている時間も含まれます。 それらをならすと285W。 285Wで5時間19分!走るのと同じ強度で走り続けています。
 
これらの数字を見るだけでもツール・ド・おきなわが相当キツいレースであることが分かります。
 
Peaks Coaching Group Japan
中田尚志
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[トレーニング] 強くなるタイミングは突然

 
上のグラフはMMP(Mean Maximal Power)=各時間ごとのマックスパワーです。
 
グラフ中、赤く塗りつぶされているのは、ここ一週間でマックスを更新した領域。
 
この選手は20秒前後と10〜20分を軒並み更新しました。
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(1)トレーニングを継続する
トレーニングしている中で、「頑張っているのに中々パワーが上がらないなぁ」と思うことは誰でもあります。
 
でもそこで諦めたり、性急にあれやこれやとやり方を変えるのは良いことではありません。
 
人間のパフォーマンスを大きく変えるのには8−12週間かかります。
 
概ね2-3ヶ月単位でトレーニングを行ない、実行(dose)に対して反応(responce)を見るのが返って近道です。
 
マックスを更新するときはジワジワ上がるのではなく「ポン!」と突如パフォーマンスが上がることが多いです。そこまでは我慢が必要です。
 
夏の暑さもあり、パフォーマンスは上がりにくい時期です。
この選手も「ずっと右肩上がりで来たのに、最近あんまりパワーが上がらない」とお悩みでした。
 
少し休養をとり、そこからは意図的に練習を増減せず淡々と取り組んでいると、20分295Wだったマックスが310Wに上がりました。
 
まさに突然「ポン!」と上がった感じです。
 
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(2)トレーニングを成功させるために
トレーニング成功の秘訣はコンスタント。
1回のビッグライドよりも、何週間もコンスタントにトレーニングすることが、パフォーマンスを上げてくれます。
 
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(3)結果を確認する
トレーニングを熱心にするあまり「強くなっているか?」を確認するサイクリストは意外に多くありません。
 
8−12週間に1回を目処にパワーを確認するのがお勧めです。
 
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クライアント募集!
現在 Peaks Coaching Group Japan では、クライアントを募集中です。
 
パワートレーニングにご興味のある方は是非お問合せください。
 
コーチング詳細
 
Peaks Coaching Group Japan
中田尚志