30年前のバイクと現代のバイクどちらが速いのか?


クリス・ボードマンが1992年バルセロナ五輪で使ったロータスは”未来から来た”バイク。

ボードマンはこのバイクで世界記録を更新し、バルセロナ五輪では決勝で追い抜き勝ちを決めて金メダル獲得。
更にツールのプロローグでは総合で上位に来るルック・ルブランを追い抜いてしまいました。
 
まだ鉄に乗る選手も多かった当時、自由な造形で空気抵抗が削減出来るカーボンはまさに未来の素材でした。
 
時が経ちUCIルール上、ロータスのバイクは使えなくなりました。
フレーム形状でダウンチューブが無いのは認められず、更にはフレームの縦横比が決められたからです。
 
現在はUCIルールを遵守しつつ、少しでも空気抵抗が少ないバイクの開発が進められています。
 
ではUCIルールに関係なく自由な形を作れたロータスと現在のルールに適合しつつ空気抵抗を減らしたバイクのどちらが速いのか?
 
ロータスとサーベロ両方でアワーレコードに挑戦したことがあるコルビー・ピアースに聞いてみました。
 
答えは「サーベロ」。
 
「ロータスは確かに速かったもののフレームの精度、カーボンの材質、各部品の性能は現在のバイクに軍配があがる。
またUCIルールを守りつつも空気抵抗はサーベロの方が少ないと思う。」
との事でした。
 
技術の進歩は凄いですね。
 
Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志
 


今年も良い年でした。
 
小石選手とは一緒にやって6年。
ようやく全日本選手権を勝つことが出来ました。
小石選手のポテンシャル&ゴールから考えると全日本チャンピオンになるのは最終目標ではなかったけども、今回の勝利はキャリアの中で大きな達成になることは間違いないでしょう。
コーチング開始時にパワーデータを見た際に「TTも行けるんじゃない?」ということでTTの強化を始めました。
すぐに能力を発揮し、翌年の全日本では3位に。
そして今年の優勝でした。
今年は走る前から「勝つだろうな」と思っていたので、現地でも安心して見ていられました。
 

実は小石選手のコーチングは今年で最後です。
来シーズンからチームUKYOは外国人コーチを雇うことになり、強制終了です。
選手は、色々な人の知識を吸収して成長していくので、ここらでコーチを変更するのも良いことだろうと考えています。
チームから一切連絡が無いのはちょっと引っかかりましたが、まぁリーグ自体を何となく終わらすような団体なので、一コーチに筋を通すなんてことは無いんでしょう。
そんなことよりも彼自身の未来が輝かしいものになるように願いたいと思います。
 
ひとくさり入れつつもチームが世界に向かって動いているのには大賛成。特に小石選手は脚質が”ロードレース”向きですし、英語でのコミュニケーションに問題がないので、才能を伸ばせると信じています。
引き続き応援よろしくお願いいたします!
 
中田尚志

[世界選手権] 手持ちの機材で勝負する


 
写真は今年のエリート世界選ITTで3位に入ったジョシュア・ターリング。
ジュニアから上がったばかりの19歳ですが、本来の年齢であるU23はスキップしてエリートで走り、3位に入った逸材です。
彼がレースで使用したDHバーは標準品。
 
近年エリートのTTではオーダーメードのDHバーが標準となりつつあります。前腕とDHの隙間を埋めて空気抵抗を減らすことが出来るからです。

 
彼が所属するイネオスはワールドツアーの中でも資金豊富なチームにもかかわらず、ジュニアやU23の選手が使用するものと同じ市販品を使っていました。
 
単に準備できなかったのか、教育的見地からあえて準備しなかったのかは不明ですが、安価な標準品を使用したことでジョシュアの3位の評価が上がったことは間違いありません。
 
DHバーだけでなくエアロフォームも、そこまで完成されている感じではありません。ここも彼の今後の可能性を感じさせてくれます。
 
レースの世界ではワンオフの特別な機材が注目されがちですが、順位を決めるのは機材ではなくてパワー。
もっと言うとパワー/空気抵抗レシオです。
このことを知る関係者からみると彼の3位の評価はとても高いことは間違いないでしょう。