マッテオ・ヨルゲンセンのインタビュー
ツール・ド・フランス第9ステージでラスト50kmからの大逃げを見せたマッテオ・ヨルゲンセン(モビスター)
まだ24歳の若手で、今年オマーン総合優勝、ロマンディーで総合2位と大躍進を遂げている選手です。
FLO BIKE(フローバイク)での彼のインタビューが印象的だったのでご紹介します。
「登りは完全な静けさの中を走った。
身体、心と向き合う時間だった。
ファンも居ない。無線も切れていた。だからウッズに抜かれるまで彼が来ているのは知らなかった。
12%の登りはウッズの領域。だから早目に行った。自分がやれることをやった。
モホリッチやカンペナールツが一緒に来てくれたら良かったけど、1人で麓で1分は厳しかった。
でも自分のしたことを誇りに思う。今回は上手く行かなかったが、いつかは」
ステージ優勝を狙うのに彼が選んだ戦術は、登りの能力が高いウッズやパウレスに対して麓で先行しておくこと。
タイム差を削りながら頂上まで行くことでした。
相手の強さを見抜き、自身の長所を活かし、やれることをやるというプロらしい戦い方ですね。
インタビューも含めて素晴らしいレースでした。
Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志
スプリンターのギア
サム・ベネット 55 x 11-30t
ティム・メリエー 56 x 11-30t
マーク・カベンディッシュ 56 x 11-30t
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トラック競技から始まった大ギア化はロードにも波及してきました。
大ギア化の理由は同じギア比だとギア歯数が多い方がチェーンの屈曲が小さくなり駆動抵抗が減るからです。
ビッグギア・プーリーと同じ理屈です。
以前はローが25t程度でしたからチェーンリングを大きくするとローが重くなりすぎました。しかし、現在は多段化で30t以上を使えるようになり問題は無くなりました。
またインナーとアウターの歯数差がありすぎると、以前は変速に支障が出ました。
しかし現在は電動変速などの技術が進み、トラブルが起きにくくなったのも大ギア化が進んだ理由でしょう。
それにしても大きいギアですね。
[猪野学] ついに悲願の表彰台獲得! 坂バカ俳優・猪野学さん「自転車を通して『可能性』を伝え続けたい」
チャリダー★快汗!サイクルクリニックでコーチングさせて頂いた猪野学さんのインタビューです。
“トレーニングがものすごいエグくて…”笑
いえいえ。そんな事はないです。トレーニングは猪野さんの過去データを参考に作っています。
(1)トレーニングの作り方
過去のTSS, 時間, kJ(エネルギー量)を参照して質とボリュームを設定していました。
その為、過去のトレーニングから大幅に強度や量が増した訳では無いです。
言ってみれば「猪野さんのフィットネスレベルなら、これぐらいは大丈夫!」という強度設定だったわけです。
日々こなすボリュームとパワーゾーンの割当を変更しました。例えば今までSSTを週に4回20分ずつをされていたのを、週に2回40分するようにしたといったイメージです。
(2)レースの結果は一回で決まらない
乗鞍HCは「絶対タイムが出る!」と思っていただけに正直意外でしたが、続く王滝では見事に年代別2位!
これは私も飛び上がるぐらい嬉しかったです。
競技スポーツ全般に言えますが、たった1レースの結果だけで能力を評価するのは間違いです。1レースだけだとたまたま良くない場合もあるからです。ですから乗鞍でタイムが出なかったからと言って今年全体が失敗にはなりません。
それは野球のバッターの評価に似ています。年に1回ホームランを打つバッターになるより、3割バッターの方が良く、通年の成績が重要視されるのと同じです。
ひとつのレースでイチかバチかの好成績を狙ったり、ひとつのレース結果に囚われるより、シーズンを通して「良かった」と思えるようにトレーニング&レースするのが大切ですね。
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猪野さんはとても誠実にトレーニングに向き合われた印象です。
それが視聴者に伝わっているのか、乗鞍の後は多くの方が猪野さんに応援の声をかけておられました。
「猪野さんが自転車を辞めたら、僕ヒルクライムを続けられません!」「猪野さんが同世代の自転車界のGDPを支えていますよ!」という方もいらっしゃって、私も勇気づけられました。