夢中になるのに遅すぎるというこはない。



ヨノツさんは日本で自転車レースを始めた39才の選手です。
先日行われたJBCFきらら浜のE2タイムトライアルで優勝されました。

タイム的にはE1でも4位に入れるタイムです。

(1)ヨノツさんの自転車歴
自転車レースが盛んな京都在住でトレーニングパートナーにも恵まれ競技開始は遅かったですが短期間で強くなってきました。

今年はE2からE1に上がってレースするのが目標です。

パワートレーニングにも熱心でコーチングしていてもパワーに関しても質問攻めに遭います。


(2) パワーデータ
パワー中級者が自身をミスリードしてしまう要因のひとつに「ひとつの指標にこだわり過ぎる」ということがあります。
多いのはFTP、CTLを上げることにこだわり過ぎること。ヨノツさんの場合はCTLを上げることにこだわっているフシがありました。

でも大切なのは「レースの日に最高の調子に持っていくこと」です。何か特定の数値を上げることではありません。

コンディションを作る…パフォーマンス・マネージメント・チャート(PMC)

今回のITTは距離が2.3km程しかないので、求められるパワーはAC/VO2Maxです。この領域では充分トレーニングを積んでいること(CTLが積み上がっていること)も重要ですが、それと同時にどれぐらいフレッシュにレースを迎えられているかも重要になります。

今回はレースにフレッシュな状態で臨むために休みを多く取りつつ、強度は下げないようにしました。

その時、CTLが下がることは一切気にしなくて大丈夫です。
大切なのは当日最高の走りをすることです。
シーズン途中のMax CTL  126tss/d  レース当日 CTL 103tss/d, TSB +11

 

有酸素・無酸素の内訳を知る…TIS 

CTLは通常過去42日間のTSSの平均(過去42日間どれぐらいトレーニングしたか)で決まります。TSSはFTPに対するNPの高さと長さで決まりますから、トレーニングボリュームの管理に非常に有効ではあるものの有酸素メインでトレーニングしたか? 無酸素メインでトレーニングしたか?についてはその内訳を見るのもまた重要です。

そこでWKO5の新機能として新たに登場したのがTIS(Training Impact Score)です。これはエネルギーシステムを有酸素(エアロビック)・無酸素(アネロビック)に分けてそれぞれの領域をどれぐらい刺激したかを1−10のレベルで表します。

下の図は左がエアロビックTISスコア、右がアネロビックTISスコアを過去7日、過去30日にどれ位稼いだかを見るチャートです。これによりCTL103tss/dayの内訳を概ね見ることが出来ます。103tss/dayを沢山エアロビックを行って稼ぎ出したのか?もしくはアネロビックで稼ぎ出したのかを見れるわけです。

TISの目安

レース1ヶ月前〜2週間前ぐらいはアネロビックTISを間隔を詰めて6程度は稼ぎ出したほうが良いですが、それ以降はレースに向けての調整の為に間隔を開けるので5以下に下げます。

こうしてCTLだけでなくその内訳を見ながらトレーニングを進め、レース当日にコンディションが合う確率を高めて行きます。

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(3)選手としてのキャリアはこれから!
今回の勝利により次戦からはE1に昇格。
 
来週はE1で群馬CSCの3連戦に挑戦します。
 
40歳でもジュニアと同じぐらいの情熱と科学的なトレーニングを積めばまだまだ伸びることが出来ます。
ヨノツさんの自転車歴は始まったばかり。今後の活動が楽しみです!