[トレーニング] レースがない中で進捗を測る


トレーニングをしていく中で「どれぐらい強くなったか?」を定期的に測るのは大切です。

選手なら誰でも毎日頑張ってトレーニングしますが、「強くなったかどうか?」を測るのは意外とやっていないものです。

 

トレーニングの進捗を測る方法

 

1.テストを実施する
5秒, 1分, 5分, 20分など時間を区切りマックスパワーを測る。

上記の4種類はエネルギーの代謝システムが異なるので、それぞれの能力がどれぐらい伸びているかを見るわけです。

 

 

2.トレーニングデータから進捗を測る
テストは能力を測るのに簡単確実な方法ですが、そう毎日のように出来るものではありません。
データから能力の向上を推し量るのも良い方法です。

 

2.のデータから測る方法は複数ありますが、例えばEF(Efficiency Factor)はエアロビック能力を測るのに便利です。

EFは言い換えれば「心拍1回で何ワット出せるか?」です。

算出方法は 平均パワー÷平均心拍数=EF

 

例:
平均パワー300Wで20分 平均心拍160bpmで走ったとすると…

 

EF=AVG Power ÷ AVG HR=300W ÷160bpm=1.875W/bpm

それがトレーニングを積んで心肺機能が上がり心臓の1回あたりの拍出量が増えて150bpmで300Wで走れるようになったとします。

そうするとEFは…

EF=300W ÷ 150bpm=2.00W/bpm

 

1bpmあたり2ワット出せるようになったことなります。
他の言い方をすると同じパワーでも心拍が上がらなくなったと言えます。

 

 

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2月20日

MS1: SST 2 x 20min , FTP 1 x 15min
EF 1.96, 1.98, 1.94W/bpm

 

 

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5月8日

MS1: SST 2 x 20min , FTP 1 x 15min
EF 2.12, 2.05, 2.12W/bpm

  SST 20min SST 20min FTP 15min
2/20 1.96W/bpm 289W 1.98W/bpm 300W 1.94W/bpm 321W
5/8 2.12W/bpm 316W 2.05W/bpm 309W 2.12W/bpm 341W

 

平均パワーも上がっていますが、EFも有意に上昇しています。
EFであれば全開走をしなくても進捗が見れますので、テストほど心理的なプレッシャーを感じること無く測ることが出来ます。

レース再開に向けて準備はしっかりしておきたいですね!

 

 

Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志

[Training] 小坂選手の夜練!

寒くてもたぬきが出てもトレーニング!
本当に尊敬すべきアスリートです。
 
フルタイムの社会人として働きながらレースを続けるのは大変なところもありますが、それ以上に得るものも多いと思います。
全国の社会人レーサーがポテンシャルの限界を引き出せると良いですね。
 
ビデオの中で彼も言っていましたが安全第一は本当に大切です!
朝練・夜練に関わらず必ずライトとLEDフラッシャーは点灯してトレーニングに励んで頂きたいと思います。
 
 

 

 

中田尚志

[Training] 限界まで追い込む


 

https://www.facebook.com/danslamusette/videos/1040847829597447/

 

映像はCXの名物レース ナミュールを終えたマチュー・ファンデルポール。

優勝後テントに向かっていますが、あまりの苦しさに視線は定まらず、ヨダレは出たままです。

 

CXは1h続くHIIT(高強度インターバル)のようなものなので、フィニッシュ後も強烈な酸素負債が残りこういった状態になることはままあります。

彼の場合は55秒の差をつけて優勝を決め最後は流したにも関わらずこの状態です。

 

ここまで追い込むには普段のトレーニングから苦しんでおかなければなりません。

限界まで追い込むことが苦手な選手は多いです。

 

レースは同じぐらいのレベルの選手が競っているので、明暗を分けるのは相手よりもホンの少しでも頑張れるかどうかです。

追い込むのが苦手な選手は限界突破の方法をトレーニング時に研究しておく必要があります。

 

 

(1)動機づけ
まずそもそもトレーニングの価値を考える必要があります。

「ここで苦しんでおけば、強くなれる。速くなれる。自身にとってこのACトレーニングをすることは勝利を呼び込むんだ」という意識付けがないことには限界まで頑張れませんし、その価値も分かりません。

訳も分からずしゃにむに頑張っても長続きしません。

 

(2)集中する
限界まで追い込むには静かな道で集中して走る方が良いです。
脇道がなく人やクルマの来ない安全な道で集中力を高めましょう。

気が散るような道路環境は追い込めないばかりか危険です。

近くにそういった環境がない場合はローラーを使うのも一手です。

 

(3)ストレスを減らす
自宅から100kmも離れた場所で「ここでぶっ倒れても良い」と思ってインターバルをするのは難しいです。

頭のどこかで帰りのことを考えてしまうからです。

 

終わったらすぐに帰宅出来る場所の方が心置きなく集中して追い込めます。

 

(4)パワーメーターを使う
インターバルの時にパワーメーターでラップをとります。
例えば2分のインターバルを4本するとしたら、1本目400Wだったら、次は410W、その次も410W、どうにも苦しくなってきたらせめて一本目の400Wは維持するように。。。

っと数字を見ながら限界を突破して行くわけです。

 

 

そして次回は今回の平均(400+410+410+400)÷4=405Wをターゲットとして一本目は405Wで(これは少し楽に感じるはず)、次も405W, その次は410W、最後の一本は絶対に410Wを超えるように!と目標を作ると限界を突破しやすくなります。

 

苦しいときはあれやこれやとたくさん考えるよりも一つのことを実現する方法を考えた方が、成功確率は高くなります。ここでは数字を上げる=速くなると単純化するわけです。

その実現方法としてペダリングやフォームに気をつけるわけです。

 

こうして平均パワーが上がった時に脚力と共に精神的な限界の突破能力も高くなっているはずです。

 

Peaks Coaching Group Japan
中田尚志