[ サイクルスポーツ.jp ] プロとアマの違い
[パワーメーター] Quarq クオルク
社長のジム・マイヤーはマサチューセッツ工科大学で学んだ秀才で、自身のトレーニングの為にパワーメーターを自作しました。
彼は18ヶ月かけて最初のパワーメーターを完成させました。
そこでパワーメーター業界に参入することに決めクオルクを設立。
最初の売上が入るまで実に2年半も収入が無かったと言います。
ジムは言います「起業家に投資するのは3種類の”F”たちだ。ファミリー、フレンド、フール(バカ)だ。自分は家族のバックアップで事業継続が出来た。」
ジムは親と義父の土地建物を抵当に入れて資金を調達したと言います。
写真は2014年のインターバイクの展示会で撮影したもの。
ハンターがクオルクのブースで当時最新だったWKO4を説明しているところです。彼は黎明期のクオルクをジムからもらってテストしていました。
当時はパワーメーター業界への新規参入が相次いだ時代でした。
一昔前にはSRM, パワータップの2社しかなかったメーカーが1年程度の間に12社に増えたのです。
この時すでにクオルクは多くの人に認知されていましたが、それでもまだ参入後6年程度しか経っていませんでした。
現在は姿を消してしまったメーカーも多くありますが、クオルクの製品は精度と耐久性が高く、信頼出来るパワーメーターとして今も愛されています。
パワーメーター業界に参入する企業の多くはガレージカンパニー(家の車庫)からスタートしています。
それぞれに夢のあるストーリーがあって興味深いですね。
[Training] レースがない中で進捗を測る
トレーニングをしていく中で「どれぐらい強くなったか?」を定期的に測るのは大切です。
選手なら誰でも毎日頑張ってトレーニングしますが、「強くなったかどうか?」を測るのは意外とやっていないものです。
トレーニングの進捗を測る方法
1.テストをする
5秒, 1分, 5分, 20分など時間を区切りマックスパワーを測る。
上記の4種類はエネルギーの代謝システムが異なるので、それぞれの能力がどれぐらい伸びているかを見るわけです。
2.トレーニングデータから進捗を測る
テストは能力を測るのに簡単確実な方法ですが、そう毎日のように出来るものではありません。
データから能力の向上を推し量るのも良い方法です。
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2.のデータから測る方法は複数ありますが、例えばEF(Efficiency Factor)はエアロビック能力を測るのに便利です。
EFは言い換えれば「心拍1回で何ワット出せるか?」です。
算出方法は 平均パワー÷平均心拍数=EF
例:
平均パワー300Wで20分 平均心拍160bpmで走ったとすると…
EF=AVG Power ÷ AVG HR=300W ÷160bpm=1.875W/bpm
それがトレーニングを積んで心肺機能が上がり心臓の1回あたりの拍出量が増えて150bpmで300Wで走れるようになったとします。
そうするとEFは…
EF=300W ÷ 150bpm=2.00W/bpm
1bpmあたり2ワット出せるようになったことなります。
他の言い方をすると同じパワーでも息切れせずに済むようになったと言えます。
2/20のトレーニング
5/8のトレーニング
写真の選手は2月20日と5月8日に同じトレーニングをしてみてEFの進捗を見ています。
SST 20min | SST 20min | FTP 15min | ||||
Power | EF(W/bpm) | Power | EF | Power | EF | |
2/20 | 289W | 1.96 | 300W | 1.98 | 321W | 1.94 |
5/8 | 316W | 2.12 | 309W | 2.05 | 341W | 2.12 |
平均パワーも上がっていますが、EFも有意に上昇しています。
EFであれば全開走をしなくても進捗が見れますので、テストほど心理的なプレッシャーを感じること無く測ることが出来ます。
レース再開に向けて準備はしっかりしておきたいですね!