[パワー] 最高のアンチエイジングとは?

私が考える最高のアンチエイジングは勝つことです。

 

勝つことはトレーニングのみならず日常生活にも張りを与えてくれますし、翌日から何事も意欲的に過ごせるエネルギーをも与えてくれます。

皆さんも勝ったレースや良いトレーニングが出来た後は、疲労感も少なくテンションが上がった状態で過ごせた経験があるのではないでしょうか?

反面、負けたレースもしくは上手くいかなかったトレーニングの疲労感も経験したことがあるでしょう。

 

昨日伊豆CSCで行われたCSCクラシックの3時間耐久で池田佑樹選手が優勝しました。

この大会には2015年も勝っていますし、その年にはSDA王滝やテルユーライド(USA)にも勝っています。

 

39歳を迎える彼ですが、36歳の時と同じレースに勝てる=脚年齢は変わっていないわけですから年齢を気にする必要はないことになります。

これはパワーにも言えます。

 

もしあなたが39歳で36歳の時のパワーが出せるなら、脚年齢は変わっていない=アンチエイジングに成功していると言えます。

 

もし35歳、34歳、29歳の時に戻って行っているなら脚は若返っていると言えるでしょう!!

マスターズの皆さんはレースとパワーを活用してアンチエイジングにチャレンジしてみて下さいね。

 

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©︎Sayako Ikeda

 

 

http://www.yukiikeda.net/blog.html#/detail/1968010330873111686

[パワー] 全日本最速店長選手権 レースデータの解析方法 その2


前回はレースデータから概要を掴む方法をお伝えしました。

今回はさらに深くデータを解析して、今後のレースに向けたトレーニングを考えてみたいと思います。

 

レースデータから概要を掴む方法

1.時間・TSS・エネルギー消費量を確認する。

2.NP(ノーマライズド・パワー)を確認する。

 3.VI(バリアビリティ・インデックス)などを使ってレース展開を見て行く

 

パワーデータをさらに深くみる方法

.fit(フィットファイル)に代表されるパワーデータには(パワー・ケイデンス・時間・距離・心拍数・スピード・標高・温度)などのデータが1秒ごとに記録されています。

これらのデータから多くの情報を得ることができますが、ライダーの思考までは記録されません。

 

その為、データとレース中に考えていたことをシンクロさせるのが次に行う作業です。

 

レース中何を考えていたのか? アタックを待っていた? 集団にしがみついていた? データ上は同じ300Wでもライダーにとっては全く違ったシチュエーションだった可能性があります。

 

梅林店長のコメントとレースレポートから

・前半調子が良く前で展開

・中盤は一旦集団の中程に戻り待機

・勝負のかかった48周目で集団のギャップを詰めるために全開!

・ここからは完走を目指してゴール

 

(1) データをアンズーム(Unzoom)する。

レースは自分のペースで走れることの方が少なく、路面や相手のペースに合わせて加減速が続きます。ですから激しく変化するレースのデータを眺めるだけでは何が起こったのは分かりません。

そこでパワーデータと心拍数だけに絞ってアンズームするとペースの変化がみやすくなります。

 

ハンターの言う「無駄な情報を全て取り払ったときに真実が見えてくる。」ですね。(彼は日本の禅からこのヒントを得たそう。)

 

アンズーム前

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アンズーム後

・展開出来た前半 FTP(緑の破線)を超えている時間が長く、キレのあるアタックを数本している。心拍も高い。

・集団で足を貯めた中盤 FTP以下で足を温存している

・最後の勝負に出た終盤 48周目あたりで集団のギャップを埋めようと頑張ったところからパワー・心拍共に高い。

 

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 (2)マッチを確認する。

下の図はレース中どれだけ激しい努力をしたか(英語のレース用語ではマッチを燃やすと言います)を表したものです。

 

・レース前半: FTPの140%を30秒以上維持するような激しいマッチ(オレンジ)120%を30秒以上するマッチ(黄緑)共に多い

・レース中盤: 集団で温存しマッチは燃やしていない

・レース終盤: 最後の力を振り絞って>120%のマッチを燃やしている。

 

ここまで見てくると本人のレポートとパワーデータが概ね一致し課題がクリアになってきます。

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データから学ぶレース戦術
パワーデータから得られる情報は、次のレースに向けて重要な資料になります。

ここまでレポートとデータをシンクロさせる作業を行ってきました。彼の課題は何かを考えてみましょう。

 

梅林店長のレース

・前半調子がよく結構動けている。(マッチを多く燃やしている)

・中盤の中休みのあと終盤も数回動く余力はある。(集団は梅林店長のFTP以下で進行し後半再度動ける回復力がある。)

 

ここからレースのレベルは梅林店長にとって手のつけられない高さではないことが分かります。

むしろ前半動き過ぎた為に早めに足を売り切れさせてしまった可能性があります。

  

上位を狙うには下記の二つの戦術が考えられます

 

1.前半もう少し足を温存する。

マッチを前半に使い切っている可能性が高いので、もう少し温存した方が良いです。温存と言っても足を止めていては置いていかれるだけですから、決まらないアタックには反応しない。 集団の中で出来るだけ足を使わない技術を向上させるのが大切です。勝負のかかっていない時は後ろで休む。流れるラインを見つけて前に上がる技術。足を温存するペダリングスタイルなどです。

2.決定的なアタックを見極める。

レースは実力が拮抗した選手の争いです。「ガンガン行く」「後先考えずに行く」のはカミカゼ・アタックでしかありません。冷静に展開をみて自身の脚質を最大限に活かす必要があります。また勝負を決めれる爆発力を養うのも必要です。

 

 

2018店長選手権に向けたトレーニング 

上記のレース戦術を可能にさせる為のトレーニングを考えてみましょう。

 

課題

テーマは主に2つ FTPアップとマッチを増やすことです

 ・FTP向上 集団で足を貯めるにはFTPをあげることが必要。FTPを上げれば相対的に強度は下がりますから余裕が生まれ足を貯めやすくなります。

・マッチを増やす 足を温存するだけでなくマッチを増やす必要もあります。幾度となく繰り返されるアタックに対応し、最後は勝負を決める一発を打てるようにしなければなりません。単独でトレーニングすることの多い日本選手の場合、このトレーニングを行うことで激しいリズムの変化に対応しレースの成績向上に成功する選手が多いので参考にして頂きたいと思います。

 

 

上記から店長選手権に向けたトレーニングを考えてみましょう。

 

2018店長選手権に向けたトレーニング 

 

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WU: 20-30 分 エンデュランスレベルで。

3 x 1分の高回転走を入れて足を目覚めさせよう。

——

MS1: SST 2 x 20分 

レスト:10

スムーズなペダリングを意識し、出来るだけ少ないエネルギーでSSTを維持すること。

集団の中で足を貯めるイメージで。

10分流し

——

MS2 : マイクロバースト (120% / 80%) 

(15ON / 15 OFF) x 20 = 10

15ON = 120% of FTP

15OFF = 80% of FTP

レースの攻防をイメージして。ペースが上がった集団で展開しているイメージで。 OFF80%以下に落とさないように注意すること。

10-15分流し

——-

MS3: タバタ

(20 / 10秒) x 8=4

全開で!!!

——

CD: 10 分 アクティブリカバリーレベルで軽く回そう

 

まとめ

・データから概要を掴む

・データと感覚をシンクロさせる

・データから次回への対応策を考える。

 

皆様もデータからトレーニングを編み出して勝利に近づいて頂きたいと思います。

 

 

 

[パワー] 全日本最速店長選手権 レースデータの解析方法 その1


サイクルスポーツ誌の名物企画 全日本最速店長選手権に参戦したYs Road 梅林様よりパワーデータを頂きました。

データを元にパワーデータの解析方法をご紹介したいと思います。

その1 レースデータをどうやって見るか?

その2 レースデータから作るパワーワークアウト

 レースデータを解析する方法

早速、店長選手権のパワーデータを見ていきましょう!

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このレースは健脚自慢のバイクショップ店長が「日本最速店長」の座をかけて闘うものです。

パワーデータ(データは全てメーター読み)

時間 1h51:15
距離 78km
平均時速 42.1kph
NP 220W
TSS 156
エネルギー消費量  1287kJ

パワーデータを見る方法

パワーデータを見るときは時間・TSS・エネルギー量を見て概要を掴みます。

このレースでは約2時間、TSS 156、エネルギー1287kJ消費していますから、1時間に概ね80tss/h エネルギーは概ね650kcal 消費していることが分かります。

TSS 156

FTP1時間走るとTSS100になります。 1時間50分で156TSSですから、梅林店長はこのレースで1時間のTT 1.5本分頑張ったと言えます。

また1時間あたりのTSSは80tss/h。 レースや激しいトレーニングでは概ね70Tss/h以上。 エンデュランスでは50tss/h。 ゆっくりしたペースでは30tss/hあたりが目安ですから、2時間のロードレースとしては高い強度だったことも分かります。

エネルギー消費量 1287kJ

人間は1287kJを産出しようとすると概ね1300kcalを消費します。

成人男子の1日の基礎代謝量が2000kcal程度ですから、梅林店長は2000+1300=3300kcalをこの日消費したことになります。

言い換えれば3300 ÷ 2000 1.5

1.5日分”働いた”ことになります。

ここまでで店長選手権は、遊びの企画ではなく、強度の高い「本物のレース」であることが分かります。

NP 220W

NP=ノーマライズドパワーは「もし一定ペースで走っていたら何ワットになったか?」を表すメトリクスです。

レースにおいてアベレージワット数は、強度を測る目安になりません。

というのも仮にアタックの掛け合いの後に沈静化したレースと、ずっと一定ペースで進んだレース、この二つのレースのアベレージワット数が同じになっても、体にかかる生理学的な”コスト”は異なるからです。

例の場合、前者のアタックの掛け合いが続いたレースの方がダッシュを繰り返した分、体にかかる負担は増えます。それを表そうとしたのがノーマライズドパワーというわけです。

梅林店長のこの日のNP220W、彼のFTP240W

NP ÷ FTP = 220 ÷240= 0.92

この日彼はFTP92%の強度で2時間近くも走り続けたことになります。

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NP/ VIからみるレース展開

NPを更に細かく見ていきましょう。

レースを3分割し、前半・中盤・後半に分けて見ていきます。

この時、VI( Variability Index=バリアビリティ・インデックス )を使うと更にレース展開を追うことが出来ます。

VI= NP / AVP = ノーマライズドパワー ÷ アベレージパワー

これはNPとアベレージパワーの割合により、ペースの変化を見るものです。NPを計算する式は大きい数字を重く見ます。ペースの変化が大きいとNPは高くなるわけです。 ですからVIが高ければペースの変化が激しかった(>1.15程度)。 低ければ一定ペース(<1.05)に近かったと言えるわけです。

・前半 NP 242W,  VI 1.13, 42.7kph※

・中盤   NP 198W,  VI 1.13,  41.4kph

・後半   NP 211W,  VI 1.12,  42.1kph

※平均速度は主催者発表よりもかなり高いですが、比較の為メーター読みのままにしています。

NPは比較的大きく変化しています。

前半は242W であったのに対し、中盤は198W, 後半は211W です。それに対しVIはあまり変わっていません。

ここから前半は速いペースで進み、中盤は中だるみ(実際に”弛んで”いるわけではなく足を休めて後半に向けてセーブしている状態)、後半はまたペースが上がっているのが分かります。

またペースの緩急は比較的少なく、”流れる”レースだったことが分かります。

これは急な登りがなく、かつ長時間足を止める下りが無い高低差の少ないコース(1周の標高差9m)だったことも影響していると思われます。

ここまでで大体のレース内容が見えて来ます。

次回はさらにレースを細かく見ていき、さらにパワーデータを元に来年の店長選手権に向けてのワークアウトを考えて見たいと思います。

資料:

Y’s Road 名古屋本館 梅林店長 レースレポート

その1

その2

サイクルスポーツ レースレポート

サイクルスポーツ12月号

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セミナー詳細 & チケット
http://www.peakscoachinggroup.jp/blog/20171006060139.html

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