[トレーニング] 全日本選手権に挑む
[熊野] 完走を目指す選手へのアドバイス
熊野は各ステージは短い分、強度が高く厳しいレースです。
特に今日行われた第二ステージは全く平坦な場所がないと言っていいほどアップダウンが激しいコースです。
明日は総合逆転を目指してレースは荒れるはずです。
総合トップと10秒以内にいるのは何と8人。
しかもそのうち3人はマトリックス、キナンは2人。
この2チームが波状攻撃をかけてくるでしょうし、1分差程度に居る選手たちも一発逆転を狙う可能性もあります。
完走を狙うには、間違いのない準備をして最終決戦に臨む必要があります。
私がコーチングしている選手の一人に送ったアドバイスは下記の通り。
総合の行方はどうなるか?
果たして彼は熊野初完走を成し遂げるか?
明日が楽しみでなりません!
(1)WU
WUはしっかり行っておいたほうが良いです。
疲れてくると体は起きにくくなるので、足が重くても必ずWUに出かけましょう。
(2)メカの調整
明日はシフトチェンジがとても重要になります。バイクの整備は完璧に!
またWUの最中に踏み込みながらチェンジしてもスムーズに動くか見ておいたほうが良いです。
ローラーや軽い負荷で正常にシフトしても、レースの負荷になると上手く動かないことがあるからです。
(3)位置取り
ジェットコースター的コースなので位置取りが重要です。
コースで一番長い登りには前で入って、少し番手を譲りながら登ったらあとは維持。
意外と落車は少ないコースなので攻めても大丈夫です。信頼できそうな選手の後ろにつくようにしましょう。
(4)補給
スタート前はあまり食べすぎないように!
間違いなくスタート直後は速いからです。
今日の夕食と明日の朝食を食べていればあとジェル程度で大丈夫なはずです。
(5)足は動く
ステージレースは不思議で「疲れてなんとなく重い」というのはありません。足は「動く」か「動かない」か。
殆どの場合、最終日は第二ステージよりも動きます。
朝起きた時に足が棒のようになっていてもレースが始まったら大丈夫。あまり不安にならずに走りましょう。
Peaks Coaching Group Japan
中田尚志
58歳の自転車部員、菊池さんの挑戦 part2
- 2022年05月16日
- ブログ
(2)テクノロジーを活用する
菊池さんのコーチングはパワーメーターは勿論、活動量計、ビデオカメラなども活用しています。
菊池さんは最新の技術に強く、私も彼の情報収集力についていけないことがあるほどです。
トラックトレーニング&レースで特に活用しているのはビデオです。
奥様に帯同頂きビデオでトラック練習を撮影。
私もトレーニングピークスにアップされた映像で位置取り、ペダリングなどを指導させて頂きます。
ビデオが全てを映し出すわけではないですが、映像とパワーデータ + ご自身の感想などと併せることは、大きな情報源になります。
(毎年奥様の撮影技術も向上し、見事にポイントを抑えた撮影になって行っています!)
先週末は国体予選。ハロンで11秒61。これは成年で1位。高校生を含む全体でも3位です。
58歳の自転車部員が18歳の高校生に勝つ。 これほど面白い競技もなかなか無いですよね。
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レース混走について
余談になりますが、各国の強化で大きな成果を上げているのは混走レースです。
強いマスターズは、若い選手と一緒に走ることが出来る国が多いです。(エリートのレースにジュニア・マスターズが出場できる)
そうすることでマスターズは脚力に勝るジュニア&エリートに技術で勝つ方法を研究出来ます。
またジュニアは自転車競技は脚力だけでは勝てないことをエリート&マスターズから学べます。お互いにとって強化のメリットを享受できるわけです。
エリート女子が男子に混じってレースすることもアメリカではよくある風景です。
連盟としても少ない競技人口でも強化が進むので良いわけです。
ちなみにアメリカの強いジュニアの中にはエリートのレースで勝ってしまう選手も居ます。そういった選手は欧州に行くことを勧められ将来的にワールド・ツアーに進みます。
日本の実業団やJCLなどのトップカテゴリーでも是非取り入れて頂きたい強化システムですね(本人が希望というのが大切ですが)。
ジュニア時代に日本のトップカテゴリーで勝てる選手が出れば、将来的にワールドツアーで活躍出来るかもしれません。
Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志