監督が選手を止めさせる!?



昨日のツール・ド・フランスではエガン・ベルナルがスタートしなかった事が大きな話題になりました。
 
総合トップ10に一人も送り込めていないイネオスにとってベルナルを離脱させるのは難しい判断だったと思います。
しかし、ドフィネで負った怪我の影響を考え若いベルナルには無理をさせないことにしたようです。
 
 
このニュースを聞いた時に市川雅敏さんからお聞きした「良い監督の条件」の話を思い出しました。
 
「良い監督だと選手がリタイアに追い込まれる前に”もう降りなさい”って止めるの。」
 

「そうするとさ。選手は”俺はもっと走れたけど、監督のオーダーで止めたんだ。”っていう気持ちで止めれるわけ。そうするとリタイアがトラウマにならずに次は”今回は頑張るぞ〜”っていう気持ちになれるよね。」
 
「それが道端に止まってリタイアしてしまったら選手には”自分は限界だったんだ”という強烈なトラウマが残る。そうすると次に走る時は”前回ダメだったし今回もダメかも?”という気持ちで走ることになってしまう。」
 
「だから若い選手が極度に消耗する前に止めさせるのも良い監督の手腕だよね」
 
市川さんの時代はグランツールが今より長く「グラン・ツールを1回走ると1年寿命が縮む」とさえ言われていたそうです。
極限状態の中で選手をいかに走らせるかがクローズアップされがちですが、時には選手を気遣い育てる為に撤退を判断する監督が居るのは素晴らしいですね。
 
 
写真はスイス・マビックの監督アルフレッド・デュポルポンと市川さん。
彼はこの監督の元で自転車競技を学び、勝ち星を挙げプロ入りを決めました。