ギジガーは心理・肉体面両面での選手管理に長けていた。父親のように選手に接し諭したという。
春先ホテルには体重計を持ち込み市川さんの体重を測り「マサ、まだ2kgオーバーだな。これはボトル4本を背中に背負っているのと同じだろ?少し落としたほうが良いよ。」とアドバイスした。
市川さんはギジガーの指導の元で順調にコンディションを高めていく。ティレーノ・アドリアティコでは数日間山岳賞をキープ、続くロマンディではジロを狙うエース、ダニエル・シュタイガーやロルフ・ヤールマンを好アシストしチーム内での信頼を築き上げていった。
一方のカーリン・カールはトレンティーノで良い走りが出来なかった。
市川さんの選考レースがロマンディ、カールはトレンティーノであることを既に知っていたチーム関係者にとって、どちらがジロに行くかは明白だった。
“市川雅敏は日本のパイオニア。彼の夢は実現した。
「ロマンディのクイーンステージで強かったマサトシをジロに選考した」チームGMタールマン”
当時の模様を伝える新聞
かくして市川さんはジロのメンバーに選ばれた。
めでたくメンバーに入ったのは、エース・シュタイガー、実力者・ヤールマン、市川さんが師匠と慕うビターリ、インテルジロを狙うベシャールなど。
「ジロではやってやるぞ!」
全ての選手にとって不満の無い選考にチームの士気は上がり、皆がギジガーの采配に期待した。
「監督のサジ加減一つのベルギーチームと違って選考がクリアなの。監督に選手が電話して足を引っ張り合いすることもねえし、そんな事してもギジガーの考えは変わらないしさ。ロマンディが終わったときには、自分がジロに出ることは分かってたよ。」
「このチームに入って本当に良かった。」
クリアな選手選考、選手が慕う監督の人柄、科学的なトレーニングのアプローチ、どれをとっても最高のチームで迎えるジロに市川さんの胸は高鳴った。
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2回に渡ってご紹介した[市川雅敏] 最高のチームの作り方。 いかがだったでしょうか?
良いチームは綿密な計画の元で作られて行くということが伝わっていたら嬉しいです。
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#市川雅敏
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