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好きなことをしよう! その1 ジェニファー・バレンテ
東京五輪トラックが終了して早くも3週間が経とうとしています。
5年間を五輪の為に過ごしてきたアスリートたちは、どうしているのでしょう?
トラック競技は五輪を中心に回っていると言って差し支えないです。その為、長い戦いを終えて「ポスト・オリンピック・ブルー(五輪を終えた後のブルーな時間)」に陥る選手も少なくありません。
それは金メダルを獲った選手でも、出場が叶わなかった選手でも同じです。
そういった場合、ある選手はすぐにレースに戻り、ある選手はシーズンをここで終了し、またある選手は引退を選択します。
すぐにレースに戻って何事もなかったように”日常”に戻るのが合っている選手も居ますし、「もうちょっとやれる」と思いつつ、あえてシーズンを終了し、フレッシュに来季を迎えられるようにする選手も居ます。また区切りをつける選手も居るわけです。
アメリカのコーチがこういった時に良く言うのは「好きなことをやりなさい」です。どの選手もこれまで我慢に我慢を重ねているはずですし、精神的に燃え尽きるのを防ぐためです。
コーチにとって選手を倒れるまでプッシュするのは実はそんなに難しいことではありません。選手にモチベーションがありハードワークを厭わなければ、いくらでもキツいワークアウトはプランニング出来るからです。しかし、精神的に燃え尽きる前にストップをかけるのはとても難しいです。モチベーションの高い選手はいつも「まだ行けます」と言うからです。
トラックオムニアムで金メダルを獲ったジェニファー・バレンテが東京五輪の翌週に出走したのは、なんとMTBマラソンのレッドビル100。160kmのMTBレースです。
全く関係ない種目に取り組むことで精神的・肉体的にリフレッシュしようというわけです。また5年間トラックレースメインの活動をしていると、こういったかけ離れた種類のレースに出るチャンスは少なくなります。五輪後はそういったイベントに出場するチャンスでもあるわけです。
前回のリオ五輪の翌年、ロードで金メダルを獲ったアンナ・バンデブレゲンはMTBレースに頻繁に出ていました。殆どのロードレースで優勝出来る彼女でもMTBで簡単に勝つことは出来ません。
「いつも優勝を狙って走っていたロードレースを離れ、突如自身が25位ぐらいになってしまうMTBに出ることで、追いかける心理になれるから」とインタビューで話していました。
他種目に出ることで、フィットネスレベルを落とさずに済みます。また例えばMTBなら上下動の動体視力やルーズな路面でのトラクションコントロールなどロードでは身につかない能力が着くので、ロードに戻った時により強くなれる可能性もあります。
自転車は種目・フィールドを変えることで全く違った気分になれるのが素晴らしいと思います。
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