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9年間我慢できるか?

写真は2013年。左に写っているのは昨日のジロ・デ・イタリア第4ステージで優勝したジョー・ドンブロウスキーです。
 
コロラド州にパワートレーニングの勉強に行った時に出会いました。(ちょうどUSプロチャレンジというレースの期間中でした。)
彼は2012年にアメリカ人史上初のベビー・ジロ総合優勝者になり将来を期待され異例の3年契約でチームskyに入団。
 
しかし、プロ入り直後にイリアック・アテリー(足の血行障害)になったこともあり思ったほどの活躍は出来ませんでした。
その後もジロでステージ優勝に近いところまでは来たり、総合20位以内にも入ってはいましたが、アマチュア時代の経歴を見ると今ひとつ伸び悩んでいる印象は拭えない選手でした。
 
昨日の優勝は今までの苦労が報われた形です。
2013年のプロ入りからここまで9年間。
我慢に我慢を重ねてのステージ優勝です。マリアローザも充分射程圏内ですし、山に強いのでこの先も楽しみです。
 
どれだけ才能のある選手でも、どれだけ努力できるか。どれだけ我慢できるかが成功の鍵になるかを教えてくれるような走りでした。
 
彼はピークス・コーチング・グループのあるヴァージニア州出身です。ヴァージニア州はロードレースがそれほど盛んな地域では無いですが、本人の努力と良いコーチ、強化システムがあればグランツールでステージ優勝することも可能だということを証明してくれました。
まさに9年間の努力の賜物ですね。
 
 
2013年当時の記事 シクロワイアード様に掲載頂いたものです
 

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日本人が初めてジロのスタートに立った日

1990年5月18日 イタリア南部の街バーリのプロローグに臨む市川さん。
 
彼は監督ダニエル・ギジガーのプログラムに従い強化に成功。
ギジガーが選考レースに指定したティレーノ・アドリアティコで山岳リーダーを獲得。
 
最終選考に指定したロマンディーで、チームのエースであるヤールマンの総合8位をアシストし自身も総合37位でフィニッシュ。
 
「マサ、トゥ、ヴァ、ジロ」(マサ、ジロに行くぞ)と出場の報を受け取る。
 
市川さんのジロへの道は近日ビデオと共に詳細を公開します。お楽しみに!
 
Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志
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[Race] 親切にしよう

At the 2008 Cascade Cycling Classic in Bend, Chris Horner of team Astana hauls fallen rider Billy Demong, from another team, two kilometers uphill to the finish of Stage 5. (C) Chris Horner

 

2008年、アメリカのステージレース「カスケード・クラシック」でのひとコマ。

クリス・ホーナー(当時アスタナ)はアシストを終えフィニッシュに向かう登りで、血を流し壊れた自転車を押す少年を発見しました。
不憫に思った彼は少年に「ヘイ!乗っていけよ」と声をかけて、二人乗りでゴールしました。

自転車レースは不思議なスポーツで、勝つにはライバルを蹴落とさなければならないですが、勝負と関係のないところでは助け合う必要があります。
それにレースから離れれば同じ自転車を愛する仲間ですから、困った人が居たら助けるのは当然です。
ついついギスギスしがちなレースの現場ですが、こういった気持ちは忘れないでいたいですね。

先日、クリス・ホーナーをインタビューしました。
近日中に公開予定ですのでお楽しみに!

アメリカは割とコーチや監督が「親切にしなさい。」「助けてあげなさい」と言います。

日本で私の少年時代のコーチ(部活の顧問)は「トラブル(落車)に遭うのは彼が間抜けだからだ」と困っている人を嘲笑し、私も含めて周囲は同調していました。彼は武士に情けは無用とでも教えたかったのでしょう。ですから最初にこの言葉を聞いた時は衝撃的でした。

どちらが人間的に正しいかは言わずもがなですが、レースの緊張が選手にこういった判断力を失わせることは、ままあります。
選手に気合を入れるため、また競争心をあおるためにこういったことを言うコーチも多く見てきました。安全面への意識が低い選手に緊張感をもたせる為に落車した選手をバカにするコーチも居ました。「自分が落車したらあんな目に遭わされる」と教えたかったのでしょう(もっと別の方法があるはずですが)。

若い時にこういった先輩選手に出会っていたら・・・とは今更ながら思いますね。

Peaks Coaching Group Japan
中田尚志

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