[機材] ローラン・フィニョンの悲劇から学ぶこと
カーボン、チタン。今も昔も軽量パーツは自転車マニアの憧れです。
写真は1982年パリ〜ツール(当時ブロワ〜シャビル)。
一人逃げを決め勝利を目前にしていたローラン・フィニョンのチタン製BBシャフトがダンシング中に突然折れて落車。勝利を逃しました。
落車のショックで立ち上がれないフィニョンの傍らには、取れたクランクとペダルが転がっています。
この7年後、ツール・ド・フランスの最終日TT(その年はシャンゼリゼがITT)、フィニョンはDHバーを使ったグレッグ・レモンに敗れ8秒差で総合優勝を逃しました。
あまりに前衛的なパーツ、いわゆるキワモノパーツを使って勝利を逃した例は枚挙にいとまがありません。
また一方で最新の機材導入をためらった為に勝利を逃した例もあります。
新しい機材を投入する時は、それが本当に自身の走りを変えてくれるのか?リスクはないのか?そして何より投資に見合う価値があるのかをアマチュアの場合はよく考える必要があります。
レーサーにとってお勧めの判断基準は「順位を変えるかどうか?」です。
2位を1位に変えてくれるなら採用。そうでなければ不採用です。
そう考えると「これがなかったら勝てない」というパーツは案外少ないと思います。
ここ50年で順位を変える力をもった機材はディスクホイール、DHバー、ディープリム、カーボンフレーム、STIレバー、TTフレームといったところでしょうか?
私は過剰に機材に投資するのはお勧めしません。
自転車レースは機材ではなくて足で決まるからです。
程度はあれど足9割、機材1割ぐらいだと思います。
特に実績のないパーツを投入する場合は、それによって得るメリットとリスクを天秤にかける必要があると思います。
Peaks Coaching Group-Japan
中田尚志
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