プロ選手にとっては秋は難しい季節です。シーズンも終盤になり調子は安定しないし、残されたレースは少なくなって来ます。

来季の契約を掴めていない選手は、僅かなチャンスを求めて走るも足は思ったように動かない。
もどかしさと苛立ちを感じながら走っている選手は集団内に何人も居ます。

私がアメリカに居た時も何人かの選手から「日本のチームに行けるツテはあるのか?」「日本企業にスポンサーしてもらえないか?」と尋ねられCV(選手経歴書)を頂いたことがありました。
極東から来たいちコーチ見習いにまで助けを請うということは相当困っているに違いありませんでした。

ワールド・ツアーに所属する選手でツールで活躍したような選手は早々に契約更新を決めて8月には帰国します。そしてその後、欧州には行かないことが多かったです。
来季は決まっているわけですから、身体的には早めにシーズンを終えて翌シーズンに向けて身体を休め、足を作り直したほうが良いからです。また精神的には一度帰国して家族と過ごすと、よほどの理由がない限り「もう行きたくない」と考えるのは自然だと思います。

ブエルタ以降の秋のレースを走る選手はまだ契約が見つかっていないことが多かったです。

米国内レースの状況は更にひどく、10年前で既にロードレース自体がどんどん減ってしまい、チームも減っていました。
その為、国内でチームを探すのは至難の業。相当に強い選手でも失業の危機に瀕していました。

「頭の中でミュージカルチェアー(椅子取りゲーム)が始まっている」とはある選手の言葉。

その話を聞いて私は「あぁ、ミュージカルチェアーって椅子取りゲームのことなのね。」と理解したのでした。
写真は世界選直前に行われたロードレース。
世界選の調整レースとして来ていた選手も居ましたが、印象に残ったのは契約が見つかっていない選手が必死に走る姿でした。

Peaks Coaching Group - Japan
中田尚志

ピークス・コーチング・グループではパワーデータを元にしたコーチングを行っています。

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