[レース] レースに向けた調整 -ゲン・コグレ-
前回は今季初レースに臨む際の準備を中心にアドバイスを書いてみました。
今回はレース当日に向けた調整について書いてみたいと思います。
レース出場のアドバイス
(1)調整方法
レース前は誰しも充分にトレーニングを積んでおきたいものです。
しかし、レース直前にあまりに沢山トレーニングをしてしまうと、疲労によりかえってパフォーマンスが悪くなりかねません。
パワーベースのトレーニングでは調整を成功させる為に、パフォーマンス・マネージメント・チャート(PMC)を使います。PMCは毎日のトレーニングの積み重ねをチャートにしたものです。日々のトレーニング・ストレス・スコア(TSS)から調子の波を測るのがコンセプトです。
青色: CTL=フィットネスレベル
ピンク色: ATL=疲労
黄色: 青 – ピンク =今日の調子
※CTL, ATL は過去42日, 7日のTSSの平均値です。日々TSSをどれだけ積み重ねたかでフィットネスレベルや疲労状態を管理しようとしています。ちなみに単純平均ではなく、1日前を一番重く最も遠い日を軽く見る為にエクスポネンシャル関数を使っています。 |
レースは充分に休養を取りつつ、刺激が入った状態でレースに臨むのが重要です。
PMCを参考にTSBがポジティブ(>0)になるようにレース当日までのトレーニングを調整して行きます。
特に35歳を過ぎたマスターズの選手はこの調整がレース当日のパフォーマンスに大きく影響します。
年齢が高くなると、調子の波が大きくなりごまかしが効かなくなってくるからです。
とはいえ悲観的になる必要はありません。調子を合わせれば若い時と変わらないパフォーマンスは実際に出せますし、競技経験を重ねた分、調整は上手くなっていきます。
PMCを活用して綿密に計画を練り、絶好調でレースにのぞむのがゴール(目標)です。
私のPMCを詳しく見て行きましょう。
レースまでの期間 | 日付 | 内容 |
4週前~2週間前 | 1/15-29 | レースに向けた激しいトレーニングブロック |
2週間前 | 1/30-2/3 | トレーニングを質量ともに落とし回復 |
1週間前 | 2/3-5 | 3日間の激しいトレーニングブロックでレースをシミュレーション |
レース週 | 2/6-2/10 | 刺激を入れつつ調整 |
レース当日 | 2/11 | ヒンカピー・スプリング・シリーズ |
自身の感覚・PMCを擦り合わせながら
・どれぐらいのCTL?
・どれぐらいのATL?
・どれぐらいのTSB?
CTL, ATL, CTLをチェックしましょう。
私の場合、昨年と同じレースがシーズン初戦でしたから、昨年のPMCを参照しながら調整を進めました。
多くの選手にとってTSBが-10~+10あたりに来た時に疲労が抜けて調子が良い可能性が高いです。私は初戦の日にTSBがポジティブになるように調整しました。
もちろんそれまでに充分CTLを上げておくことが前提です。
このPMCを使った調整の精度を上げるには、レース1-2週間前のCTL, TSBの“トレンド”を読むことも重要です。
例えばレースの日に同じTSB +5にするとしても、完全に疲労が抜けた+30から下がってきて+5になったのか?
-50の深い疲労状態から抜け出して+5になったのか?で調子は違うからです。
一般的には高いTSBから下がってきた方が良いパフォーマンスが出る事が多いです。=一旦疲労を完全に抜いてから刺激を入れてレースに向かうのがお勧めです。
次回はレース当日のウォームアップについて書いてみたいと思います。
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