トレーニング・データを解析する
昨日のデータを元にトレーニング・データを解析する方法をお伝えします。
(1)各エフォートを確認する
昨日のメニューは 3 x 30分のテンポ(76-90% of FTP)。 走行中にラップボタンを押し、走行後に各エフォートを見れるようにしておきます。
走行データを各パワーゾーンごとに色分けしたのが上記の写真です。ざっと見てテンポ(緑色)の面積が多く、ターゲットを刺激できていることが分かります。
よく見るとテンポを超えている時間も多く、最大限の効果を狙うならもう少し負荷を落とし、更にもう一本行ったほうが良かったかもしれない。という次回へのヒントも得られます。
トレーニングの刺激は強度と量で決まります。ですから、必ずしも強度を上げるばかりがトレーニングの刺激を高めるわけではありません。強度をコントロールし、量を増やすことが最適なトレーニング刺激になることも多いです。
(2)データの見方
更に詳しく見ていきましょう。テンポの場合、最初に見るべきは下記の3点です。説明を簡単にするためにグラフはWKO(パワー解析ソフト)のものですが、トレーニング・ピークスで同じようにデータを確認することが出来ます。
- FTPに対する強度
- ラップ 平均パワー
- ラップ平均心拍
- EF(Efficiency Factor)…心拍1bpmあたりのパワー
1.FTPに対する強度
80〜82%でテンポを刺激できていることが分かります。
2.ラップ平均パワー
この数字を上げていく。もしくはこのワット数で維持できる時間を延ばす。のが今後のトレーニング管理になります。
3.ラップ平均心拍
トレーニングが進むと血液の拍出量は増え、同じパワーを出しても少ない心拍数で走れるようになります。
今回は146-154bpmでしたが、トレーニングを重ねることで、同じ200-206Wでも例えば140-150bpmといった少ない心拍数で走れるようになってきます。
4.EF
こちらも3.に似ています。 EFは心拍1bpmあたりのパワーです。 EF=平均NP ÷ 平均心拍 で算出されます。
現在は1.35~1.44bpm/W こちらが例えば1.40-1.50bpm/Wになれば、パワーアップしていると評価できるわけです。
(3)ゴールの立て方
パワートレーニングの世界はいつも “トレーニングはテスト”です。
今回のトレーニングデータから、上記の情報を得ました。これらをベースにトレーニングのゴールを立てることが出来ます。
トレーニング効果が見込める8-12週間後に同じトレーニングを行ってみて、下記の変化があればトレーニングは成功したことになります。
1.ラップ平均心拍は同じで、ラップ平均パワーが上がっている。
2.EFが向上している
3.ラップ平均パワーは同じで、ラップ平均心拍が下がっている。
データを解析することで更に効果的にパワーアップ出来ることを願っています!
Peaks Coaching Group – Japan
中田尚志