シーズン前半のトレーニングについて Part 1
- 2015年04月2日
- 中田尚志ブログ
全国各地でレースが始まり既に数レース消化した方も多いかと思います。
レースに出ることで冬のトレーニング結果を確認する事が出来ますし、本格的なシーズンに向けての課題も見えてくると思います。
今回は、レースに向けた春のトレーニングをご紹介したいと思います。
多くの選手にとってロードレースシーズンは3月に始まります。
12月から2月頃までは前回ご紹介した下記の4点にフォーカスしてトレーニングし体力アップを図りますが、一旦レースが始まるとより実戦に即したトレーニングに移行していく必要があります。
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冬のトレーニングのフォーカス
冬の間に上記の強化を行った後に行うべきはレースに勝つために必要なFTPを超える能力(VO2Max, Anaerobic Capacity, スプリント)の強化です。
まずは1本で出し切る絶対的なパワー(Absolute Power)。そして、FTPを何度も超えるアタックやペースの変化に耐えうる反復能力(Repeatability)の二つを強化する必要があります。
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これらの強化法としては最初は3 x 2分(レスト3-5分)程度のインターバルから始めて週ごとに負荷を増やし4 x 4分(レスト3-4分)程度まで延ばして行きます。
レースでは高い強度の能力が必要 |
(3)レースに応じた能力の向上
まずベーシックなインターバルトレーニングでVO2Max/ACの強化を行った後、次のステップとして狙うレースに合わせたトレーニングを行います。
狙うレースがクリテならACパワーとリピータビリティ、丘陵地のロードレースならVO2Maxトレーニングと各レースに必要とされる能力を中心に強化することでレースに対応できる脚を作ります。
またケイデンスも重要なポイントですから、より実際のコースに近い地形で、実際のレースに近い強度でレースをシュミレーションすることが有効になります。
・クリテに必要な能力・・・(5-20秒の加速)/レストの繰り返し=HIIT(高強度インターバル) + 高い有酸素能力
ケイデンスは高め(90-100rpm)
レースに対応する為のトレーニング(クリテ) |
・丘陵地のロードレースに必要な能力・・・(1-5分の登り)/レストの繰り返し=VO2Max or ACインターバル + 高い有酸素能力
ケイデンスは低め(80-90rpm)
レースに対応する為のトレーニング(ロード) |
(4)戦術・ライディング技術の向上
プロ・アマに限らず殆どの選手は冬の間一人もしくは二人でトレーニングすることが多く、前年最後のレースからは大集団で走っていないことが多いです。
その為、他の選手の後ろについて休む技術、微妙なペースの変化に対応する能力、そして何より集団全体の空気(この後ペースが上がるのか?下がるのか?アタックがかかるのか?沈静化するのか?落車が起こりそうか?優勝候補は集団のどこで何をしているのか?・・・etc)を読む能力を早く取り戻さなくてはなりません。
もし可能であれば狙うレースの前に1~2レース走りレース勘を取り戻しておきたいところです。
またグループライドや仲間とのトレーニングでテクニックを磨くのも良いでしょう。グループライドは集団走行を行うにあたってのマナー、グループ走行での交通ルールの遵守の方法が学べるのでお勧めです。
アメリカで行われているグループライド、Wednesday Worlds(水曜日の世界選!)
Wednesday Worldsのルール
・交通ルールを守ろう
・キープ ライト(アメリカは右側通行です)
・ヘルメットをかぶろう
・全力を尽くして楽しく走ろう
・1列または2列のペースラインで走ろう
・ニュートラルセクションではアタック禁止
・もし苦しくて上手くローテーションが回せないと感じたら後ろにつくだけにしよう。
充分なエアロビックベースが構築出来ていれば、上記に挙げたVo2Max、ACは6-8週間あればかなり改善することが出来ます。
次回は、実際のケーススタディをもとにトレーニングの実例をご紹介します。
パワー・トレーニング・バイブル(原書:Training and racing with Power Meter)の著者、ハンター・アレン(Hunter Allen)氏のもとでパワートレーニングを中心にコーチングを学ぶ。
25年に及ぶ日本・アメリカでのレース経験を持つ現役選手。バージニア州ベッドフォード在住。現在でも週末はPro/1/2レベルおよびマスターズでレースに参加している。2013 全米自転車競技連盟主催パワートレーニングセミナー修了