[トレーニング] 時間が無い時のトレーニング
年の瀬に入りお忙しい方も多いのではないでしょうか?
先日、セミナー参加者から「時間が無い時のトレーニングをどうするべきか?」とのご質問を頂きましたので、今日はこのテーマについて書いてみたいと思います。
この時期は冬季休暇を前にお仕事が年末の追込みに入っている上、トレーニングに出発する準備にも時間がかかります。
こういった時は、多くを求めず与えられた時間の中でテーマを絞ってトレーニングした方が結果は良いです。
1.トレーニング時間を決める。
時間が無くてもウォームアップ(WU)とクールダウン(CD)は省略しない方が良いです。
特にマスターズの年齢に入った選手は体が温まるのに時間がかかるので、ケガを防ぐためにもしっかりウォームアップしましょう。
またクールダウンを省略すると疲労を翌日に持ち越すことに繋がります。翌日以降に時間が確保できた時にしっかりトレーニングする為にコチラも省略することは得策ではありません。
ですからトレーニング全体の時間からWUとCDを引いた時間がメインセット(MS)に割ける時間になります。
トレーニング全体の時間= (WU+CD) + MS
WU/CD 時間の目安
ウォームアップ(WU): | 10-20分 |
クールダウン(CD): | 5-10分 |
テンポ以下の強度の低いトレーニングであれば、WU10分+CD5分=15分
FTP以上の強度であれば、WU20分+CD10分=30分
以上がメインセット(MS)以外に必要な時間です。
例:1hのトレーニングの中でMSに割ける時間
強度の低いトレーニング: 60分-15分=MS45分
強度の高いトレーニング: 60分-30分=MS30分
2.フォーカスを決める
時間が無い時は刺激するパワーゾーンは1つもしくは2つに絞りましょう。
時間が無い場合は、FTP、テンポ、VO2マックスにスプリント・・・などと全体的に能力を刺激することは出来ません。行ったとしても各パワーゾーンを刺激する時間が短すぎて充分な効果が得られないからです。
FTP以上のトレーニングに関しては上の表の右側にある時間を目安にフォーカスを決めましょう。
(例: FTP10分以上、VO2Max3分以上、テンポは20分程度であればOKです。)
3.トレーニングを組む
では実際のトレーニング例を挙げてみましょう。
1hのトレーニング例
FTPトレーニング 1h
WU: 15-20分 3 x 1分の高回転走を入れて足を目覚めさせよう。
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MS1: FTPインターバル
(2-3) x 10 分 FTP(Power Z4 91-105%, HR Z4, RPE 4-5)
レスト: 5分流し
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CD:5-10分
VO2Max トレーニング 1h
WU: 15-20分 3 x 1分の高回転走を入れて足を目覚めさせよう。
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MS1: 10分 SST(88-94%)
これはMS2に向けてアップの仕上げ。出来る限り足を使わないペダリングで高い出力を維持しよう。
流し:5分
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MS2: VO2Maxインターバル
3 x 3 分 VO2Max(Power Z5 106-120%, HR Z5, RPE 6-7)
レスト: 3分流し
流し: 10分
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CD:5-10分
4.それでも時間が無い場合
1hも時間が確保できない場合もままあるかと思います。そう言った時は。。。
クリスクロスインターバル(FTP+VO2Max)
WU: 15-20分 3 x 1分の高回転走を入れて足を目覚めさせよう。
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MS1: 15-20分 クリスクロス
クリスクロスは乳酸処理の能力を向上させるトレーニング。
SST(88-92%FTP)で巡航。
ただしその間、2分に1回30秒間FTPの120%までペースを上げる。
30秒が経過したら、もとの88-92%に戻す。(しかし85%以下に下げてはいけない。)
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CD:5-10分
このトレーニングなら最短35分で遂行可能です。
また前述のFTP/VO2Maxトレーニングのレスト時間を削るのも一手ですね。(より短い時間で、より苦しむことが出来ます!)
5.睡眠かトレーニングか?
睡眠時間を削ってまでトレーニングすると翌日以降のトレーニングに影響してしまいます。
また寝る直前に「フルもがき」してしまうと寝つきが悪くなる場合が多いですから、忙しい日のトレーニングは睡眠時間を削らない程度に留めて翌日以降に頑張る方が得策だと思います。
トレーニングで重要なのは、1週間、1ヶ月といった期間でどれだけ質と量をこなせるかです。
目先にとらわれず、1週間、1ヶ月単位で質・量をこなせるように計画してトレーニングしましょう。
6.疲れている日もトレーニングすべきか?
「仕事で疲れて帰宅してもトレーニングは行うべきか?」というご質問も良く受けます。
オフィスワークなどで頭が疲れている時は、一旦バイクに乗ると意外に走れることも多いものです。
脳は疲労していますが実際体はそれほど疲労していないからです。
とりあえずバイクに跨ってみて、アップ終了後に足が軽くなってきた場合は、メニューを実行。
規定のパワーゾーンに入れない場合は流しに切り替えるのが良いかと思います。
回復のメニューの場合は、血流を促すことで回復させる目的ですからひと汗かいて爽快感がありそうなら実行。
疲労の上乗せになる感じがあれば、その日のトレーニングはスキップして早く就寝する方がベターです。
年末年始を乗り切り良い2017シーズンのスタートが切れるように願っています!
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