Chris Horner wins stage ten of the 2013 Tour of Spain

2013年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝者のクリス・ホーナーに質問してみました。

「ツール・ド・フランスへは完璧な体調で入らなければならない。1週間目はアンダートレーニング気味で入り3週間目に調子を上げるなどというのは遠い過去の話。現代のツールは第一ステージから速い。」以前こう語っていました。

多くの選手はツールの前に調子を上げるためにドフィネかスイス、最近ならスロベニアを走ります。それぞれを走った後にツールに向かってどう調整するのか?

ツールに向けてオーバートレーニング気味では3週間もたないですし、アンダートレーニングで入っても当然脚は持ちません。

疲労無くコンディションの良い状態で入れる為に一体どうやっているのか聞きたかったわけです。

 

1.ドフィネに出場してツールに入る場合

・開催期間が1週間早いため充分な回復の猶予があり調整期間を余分に確保してくれる。

・ドフィネに少し仕上がりが甘い状態で入ってもレースがトレーニングになり調子を上げられる。

・万一レースで小さなトラブルやアクシデント(落車や怪我、体調不良)があっても、ツールまで時間があるのでリカバリー可能

Chris Horner in the 2005 Tour de Suisse

2.スイスに出場してツールに入る場合

・フランスよりホテルが良い。食事が良い。レース全体の雰囲気がリラックスしている為、精神的に落ち着いて過ごせる。

・レースのレベルはとても高く、ここでの競い合いはツールで通用する脚を作ってくれる。

しかし、スイス(もしくはスロベニア)は、ツール直前に行われるため、ここで怪我をするとツールへの影響は避けられない為、リスクが高い。

 

3.どちらにも出ない方法

近年のトレンドとして今年レムコが行ったようにどちらのレースにも出ない方法がある。

完璧に管理された中でトレーニング・カロリーコントロールを行うことで、より確実に調子を上げ、アクシデントに遭う可能性を減らしてツールに入れる。

In this this photo provided by PhotoSport International shows Chris Horner - Lance Armstrong group

4.ツールへの準備

いづれを選ぶにせよ、ツールに向けての準備で最も大切なのは”コンシスタンシー(一貫性)”。

トレーニングの質と量、栄養管理、回復のサイクルを完璧にコントロールし継続していくことが必要になる。

以前ピドコックが行ったツール直前にMTBワールドカップに出るような行為は、失敗のもと。

MTBワールドカップへの移動&調整でトレーニング量は減る。MTBは高強度短時間。ツールのステージとは運動強度が異なる。それはツールに向けての準備という意味で一貫性を欠く。

そういった行為が良いコンディションを作るのを妨げる。

コンシスタンシーを保つには1日素晴らしい日(例えばひとつの山のKOMを取る)を作るのではなく、ツールの期間中最高のパフォーマンスを出せる脚を作るトレーニングが必要。

ホーナーの回答いかがだったでしょうか?ツールには全ての選手がベストコンディションで入ります。彼らがどのようなプロセスを経てグランデパールにたどり着いたかを知る一助になれば幸いです。

いよいよ世界最高峰のレースの始まりですね。楽しみです!

Peaks Coaching Group - Japan

中田尚志

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