
(c) Canyon Japan
アベタカ選手からグラベルクラシックやくらいのパワーデータが届きました。
1.レースデータ(すべてメーター読み)
時間:3時間36分
距離:92.5km
TSS: 256tss
エネルギー量: 3044kJ
NP: 291W
VI:1.23
AVP: 236W
2.データの見方
TSS:256tss
TSS(トレーニング・ストレス・スコア)は「どれぐらい体にストレスをかけたか?」をパワーで表す数値です。
FTPで1h走るとTSSは100になります。「アベタカ選手はやくらいで1hのTT2.5本分のストレスを3時間36分でかけた。」という意味です。
エネルギー量:3044kJ
「1Wで1秒パワーを出すと1J」です。どれぐらいのエネルギーをペダルにかけたかを表します。
この数値は体格の大きさによって大きな個人差があります。日本人ロード選手としては比較的大柄で体重70kgを超えるアベタカ選手は多くのエネルギーを生み出します。この日の1時間あたりのエネルギー量は846kJ/h。
ドラフティングが効くシチュエーションが少なく「自分で踏む必要がある」グラベルレースではロードレースと比較して多くのエネルギーを必要とします。
NP:291W
NPはノーマライズド・パワーの略です。これは「負荷として何ワットの肉体的な需要があったか?」を表します。これでは少し分かりにくいので言い方を変えると「登り下りを均して一定ペースで走ったら何ワットになったか?」を表します。
レース全体において平均ワット数はあまり意味をなしません。たとえ平均ワット数が低くてもダッシュの繰り返しであれば肉体的な負荷は高くなるからです。レースは常に「脚を使うか?脚をためるか?」の繰り返し。NPの方がレースの負荷をよく表してくれます。NPは「アベタカ選手はこの日3時間34分を291W平均で巡航するぐらいの負荷を体に与えた。」と表現しています。

登りでも激しくパワー(ピンク)が変動しているのが見て取れる
VI: 1.23
VI(バリアビリティ・インデックス)はNP÷AVP(アベレージパワー)で表すことが出来ます。
AVPに対してNPがどれぐらいの大きさだったか(変動性だったか)を表します。VIが高いほどパワーのアップダウンが激しかった。低いほど一定ペースの巡航だったと言えます。
クリテリウムやMTB、CXはVIが高く(1.13-1.50)、
平坦や一定勾配の登りTTだと低く(1.00-1.06)なります。
今回の単独走が多かった展開的には比較的VIは安定する傾向にありましたが、山がちなオフロードではロードよりも足元が悪い分パワーの変動は高くなります。VI1.23はそんなレース展開を表していると言えます。
AVP:236W
先述のようにAVP236Wはレースの厳しさを正確に表したものではありません。とはいえ3時間34分236Wをオフロードで維持できるライダーはそういないでしょう。「単なる平均」とはいえやはりレースの厳しさをうかがい知ることが出来ます。
アベタカ選手のパワーデータいかがでしたでしょうか?
日本トップクラスの選手がグラベルを走った事例として参考にしていただければと思います。
また皆様の次のトレーニングライドのデータをより良く知るのにお役立て頂けると嬉しいです。
ピークス・コーチング・グループではパワーデータを元にしたコーチングを行っています。
ご興味のある方は是非お問い合わせ下さい。
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中田尚志