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[トレーニング] ポジションを見直そう! part1

[トレーニング] ポジションを見直そう!

バイクのポジション出しはフレームサイズの選択から始まり多くの調整を経てセッティングが決まります。

少しずつポジションを変えていくことで、最もパワーが出て、尚且リラックス出来るポジションが出来上がります。

実際ポジションが出るとパワーは上がります。

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(1)ポジション調整箇所
・クリート位置
・サドル高
・サドルのセットバック
・サドルの角度
・ブレーキレバーの高さ

・ステム長
・ハンドル幅
・ハンドルのドロップ・リーチ・曲がり
・ハンドルの送り具合(下ハンドルが水平か少し傾いているか?)

 

 

(2)アーレンキーで調整
上記の4つ、クリート位置からブレーキレバーの高さまでは、多くの場合4,5mmのアーレンキー2本で調整が可能です。

サドルは出力に大きく影響しますから、しっくりくるまで徹底的に調整することが必要です。

まずは高さを合わせてからは、セットバックと角度を調整します。

セットバックを大きくすれば(サドルを後ろにすれば)、相対的にBBからの距離は延び、サドルは高くなります。

また角度を変えると骨盤が載る位置と角度が変わるのでこちらも相対的にサドル高さは変わります。

その為、サドル高を出す時は、まずは水平を基準にして高さを出し、その後角度やセットバックを調整するのがおすすめです。

私は水平器を使うのをお勧めします。
ホームセンターで500円〜1万円ぐらいまでで売っていますし、スマートフォンのアプリで測ることも出来ます。

 

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(3)ポジションの出し方
・サドル角度を水平器で0°に調整
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1.サドル高を調整
2.セットバックを調整
3.サドル角度を自身が一番しっくりくる角度に調整
上記1.-3.を繰り返す。

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(4)ポイント
ポジション出しを進めるポイントは少しずつ動かして上手く行かなかった時の為に戻せるようにしておくことです。

・高さとセットバックはシートポストやサドルレールにマジックで印をしておくと、いつでも元のポジションに戻せます。

・サドル角度は印をつけるのが難しいですが、水平器で測ると簡単に角度が分かります。

ポジションでお悩みの方は試してみてくださいね。
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10/13(土)京都府木津川市のサイクルライフショップ白星(ハクセイ)で様でパワーセミナーを行います。

ポジションとパワーの関係についてもお話させて頂きますので、是非ご参加下さい。

 

詳細はコチラ

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/012r40zv8gtu.html

 

 

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[世界選の思い出] #Richmond2015 ベン・キング エリート男子

今年のヴェルタで区間2勝を遂げたベン・キング(現ディメンションデータ)は、地元バージニア州しかもリッチモンドの出身。

典型的なサイクリング・ファミリー(家族で自転車愛好家)出身で、伯父さんは未だに上のカテゴリーで走るレーサーだそう。

 

ベンは地元のバージニア工科大学に進学するもプロ選手の夢を優先し退学。その時、彼の母親はずいぶん心配したそうです。

順調に成長して史上最年少で全米プロ選手権で優勝しました。

 

 

当時アメリカは世界選で優勝を狙う実力は無いと言われていました。しかし、開催国として何かをしたいのは当然。

地元バージニア出身のベンは、玉砕覚悟のアーリーバード(最初の逃げ)に乗る事を選択。

4時間以上も逃げて地元のファンに凱旋した姿を見せました。

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ベン・キング 2015世界選のパワーデータ
走行時間:6h24m
TSS: 418tss
消費エネルギー: 6,402kJ
アベレージパワー: 276W
NP: 323W(もし一定のパワーで走った場合の想定値)

彼のFTPは400W。その81%で6時間以上走り続けたことになります。

TSSは418に達し、それは1hのタイムトライアルを4本するに等しい負荷を体にかけたことを意味します。

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ベン・キングはこの重労働をこなし、逃げたメンバーの中で唯一の完走を遂げました。

この日優勝したピーター・サガンの脇で地元の喝采を浴びるもう一人のヒーローでした。

 

中田尚志

 

ハンター・アレンによるベン・キングのパワーデータ解析はコチラ!

http://www.hunterallenpowerblog.com/2016/01/the-world-championships-in-richmond.html

 

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チクリッシモNo.50 2016年4月号に世界選帯同記を掲載しています。
お持ちの方はぜひご覧ください。

 

 

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[世界選の思い出] #Richmond2015 イヴァン・ステヴィッチ 男子エリート

5月頃ハンターの元に一通のメールが届いた。

 

「セルビアチームを助けてくれないか?」

 

差出人は現役時代にアメリカで走り、現在はセルビアチームの監督をしているラディーシャからだった。

セルビアチームはリッチモンド世界選開催中に現地で宿泊を提供してくれる人やトレーニングコース案内、予備機材の手配をしてくれるボランティアを探していた。

 

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PCGコーチのジェームズ・シェーファーは自身の家を宿泊先として提供し、元プロのジョン・ハンブレンはソワニャー兼メカとしてクルマの手配からトレーニングコースの設定までを請け負った。

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こうして出来た即席セルビアチームからエリートのレースに出たのはイヴァン・ステヴィッチ。
アメリカで活動したこともある彼にとってこの世界選はプロ生活の集大成。

「俺にとって6時間のレースは長過ぎる。でも出来る限りのことをやるよ」

 

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地元バージニア出身のベン・キングと逃げるイヴァン

 

スタート前こう話していたイヴァンは、地元リッチモンド出身のベン・キング(現在ディメンションデータ)が逃げることを察知しマーク。見事に逃げに乗り4時間以上も逃げ続けた。

それはレース前に話していた「出来る限りのことをやる」という言葉の証明だった。

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スタート前にジェームスの家族と記念撮影

彼のアメリカ時代の知り合いは大喜び。もちろん我々即席セルビアチームは皆彼を尊敬し誇りに思った。

現在彼は引退し、地元で若手の指導をしている。

彼が育てた選手が、将来世界選手権で活躍したら嬉しいし、彼と同じファイティングスピリットを持って競技なり人生なりを過ごしていければ素晴らしいと思う。

中田尚志


セルビアチーム帯同記はチクリッシモNo.50 2016年4月号に掲載しています。
お持ちの方はご覧ください!

 

 

photo by Tommy Cheng, Takashi Nakata