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[Track] 持ちタイム

 どんなレベルの選手にとっても「持ちタイムを上げる」というのは大切です。
それはTTやトラックに限らずロードでもMTBでもCXでさえ同じです。
 
「一人で走って速い選手は、人と走っても強い」
 
というのは古くから言われていることです。
DSC01192
決められた区間を速く走れるということは、人と走った時に相対的に楽に走ることが出来、勝てる可能性は高くなります。
チームパーシュートでは特にそれが求められ、1kmとIP(男子4km, 女子3km)が速い選手はチームパーシュートを走っても速いです。
先頭交代の上手さやメンバー間の足の差を上手く調整できる能力も求められますが、まずは持ちタイムが重要です。
今回の世界選手権でアメリカチームはチームパーシュートで優勝しましたが、メンバーのクロエ・ダイガートはIPでも世界記録を出して優勝、エマ・ホワイトはトラックに転向して間もないにも関わらずIPで6位に入っています。
 
 
世界選は当然、世界最高峰を決める大会ですが、今年の場合は同時に五輪の結果を占う大会でもありました。
各国はメンバーを入れ替えながらワールドカップを戦い、一番タイムの出る布陣で世界選を走り五輪に向けた最終確認を行っていました。
このような状況を鑑みながら、チームパーシュートを見ると五輪でUSチームのライバルになりそうなチームが見えてきます。
私が東京でUSチームのライバルになりそうだと思ったチームはリオ五輪のチャンピオンで予選を0.6秒遅れの2位で上がったイギリスでも、3位のカナダでもありません。
4秒も遅れ予選7位に終わったドイツです。
 
理由はメンバーの3km IPの持ちタイムが良いからです。
WTでも活躍するリザ・ブラナウアーを筆頭にリザ・クライン、フランシスカ・ブラウザというメンバーがIPで2位、3位、4位に入って居ます。
しかもブラナウアーは2500mまでクロエに勝っていますし、クライン、ブラウザの二人はラストの1kmでクロエとの差を詰めています(写真)。
また彼女たちは予選のラスト1kmで先頭交代の失敗から崩壊するまではUSチームに0.27秒遅れの2位に居ました。
五輪までに大きくパワーアップするのはこのレベルでは難しくとも、戦術を修正することで大幅にタイムを上げてくる可能性は充分あります。
それだけに完璧な走りをしたチームよりも、ドイツのよう各自の持ちタイムが速く大幅なタイムアップの可能性を残しているチームの方が怖いと言えます。
 
IMG_2738
持ちタイムが速いことはそれだけレースで強い選手になれるポテンシャルが高いということです。もしトラックに入れるのであれば200m、1km、4kmは測っておく価値があります。
トラック選手でなくともトップ選手の多くはトレーニングコースの中でタイムアタックする場所を決めています。
パワートレーニングの観点から言うと 5秒、1分、5分、20分のタイムアタックが出来る場所が設定できれば完璧です。
そこでパワーと共にタイムを測っておくと(5分程度の坂のタイムもしくは5分でどこまで進めるかで測定)、自身の強化の進捗をみることが出来ます。
そのタイムをSTRAVAなどにアップロードしておいて、ライバルよりも持ちタイムが良ければレースで勝てる可能性は高くなります。
またもし自分の方が大幅に持ちタイムが良いにも関わらず、常に負けてしまう場合は戦術や足を貯める技術に問題があることが分かり、強化の方向性を考えることも出来ます。
皆様も是非一度「持ちタイム」という意識を持ってトレーニングして頂ければと思います。
写真はWCブリスベンでのTPと世界選出走前のドイツチーム
 
中田尚志
 
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[Track] トラック世界選手権で驚いたこと その2 ロッテ・コペッキー(ベルギー)

昨年ロットチームのロジャー・クルーゲがUAEツアーの翌日に世界選マディソンを走って金メダルを獲ったのは誰しもが驚いたのですが、今回もロットチームに在籍する女子選手ロッテ・コペッキーが偉業を成し遂げました。
 
コペッキーはドイツ・ベルリンで行われた世界選手権でマディソン4位、ポイントレース10位を獲得しました。
その翌日にベルギーでのレース G.P.サミンに出場して3位に入賞。
これには流石に驚きました。
 
プロであれば2日間連続してレースを走ることはよくありますが、今回は国をまたいでいますし種目も違います。
世界にはすごい選手が居るものですね。
 
写真はコペッキーのインスタグラムより。
 

 
 
 
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Nakata Takashi
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[Track] トラック世界選手権で驚いたこと その1 ベルリン・ベロドローム

ベルリン・ベロドロームは、最大観客収容数が12,000人もあるにも関わらず外から見ると一体どこにあるか分からない不思議な建物です。
半地下にあるために見た目はベロドロームだと全く分かりません。
また不思議なことに地上にはベロドロームと表すような看板がありません。
Berlin velodrome2
 
1997年にスポーツコンプレックスとして建設され隣にはプールやテニスコートがあり、屋上は公園になっています。
トラック世界選に関しては1999年以来、約20年ぶりの2度目の開催とのことでした。
Berlin velodrome
(1)驚きの設備
このベロドローム、驚くことにコンサートや他のスポーツイベントの時は一部の走路が格納され観客席が表れます。
さらに驚くことにインフィールドにプールやテニスコートを設置することも出来ます。
湿度の管理を厳正に行わないと走路が反ってしまう木製走路内にプールを作ってしまうというアイデアに驚きました。
 

 
このバンクは移動式にも関わらず世界記録を連発するようなスムーズな路面です。
20年ほど前に東京ドーム内に設置されたトラックで走ったことがあるのですがクセが強く継ぎ目で跳ねるのでお世辞にも良いトラックとは思いませんでしたので、どうやってスムーズな繋ぎ目を実現しているのか興味があります。
 
流石ドイツの技術といった感じですね。
 
 
 
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中田尚志 

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